御伽噺のお姫様【派生作品】 (ページ14)

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最近の話。ページ14

そう言えば、とイデアは立ち止まった。

最近エラを見かけない。

「どうしたの?兄さん。」

“オルト”が後ろから聞いてくる。

やっと完成した弟。
でもそれと引き換えにエラは訪ねてこなくなった。
まぁ良い。どうせ結婚する時に会う。

「...何でもない。行こう。」

ふっと懐かしい気配がした。濃い魔力の気配。それを隠そうともしない。
後ろを振り返れば少し悲しげに微笑むエラが居た。

『イデア。』

「...エラ。何?」

『それがオルトくん?凄いわ!!イデア、貴方って本当に何でもできるのね!!』

皆、皆、タブーだと、そう言った。誰も褒めてくれやしなかった。
けれど、エラは違った。
凄い凄いとオルトを持ち上げる。(拙者の婚約者、怪力か?)
そして自分の方を向いてはやっぱり凄い凄いと目をキラキラさせる。

「褒めてくれるの?」

『えぇ!!逆に褒める以外の何があるの?』

「...アリガトウ...」

貴方は誰?と問うオルトに対して柔らかく微笑みながら「私はエヴィ・ドラコニア。エラかエヴィーって呼んでくれると嬉しいわ。」と答える。

エラは、本当に、僕のやる事に間違いがなければ何も言わないんだ。
そう思うと少し嬉しくなった。