ナルニアのため、アスランのため ページ46
カスピアンとエドマンドも鎧をつけ、甲板に上がってきた。
エドマンドは、兄ピーターの剣をつけていた。
船員が全員甲板へ上がると、カスピアンは息を一つついた。
そして、演説を始めた。
「これから何が起ころうとも、目の前にいる君たちは、朝びらき丸の誇り高き乗組員だ。
ともに旅をし、困難に向き合ってきた。今度もまた、乗り越えられる。
だから決して、己の恐怖心に惑わされるんじゃない。強くあれ！屈するな！」
カスピアンの一言一言が、船員たちの胸に染み込んでいくようだった。
船員たちは少しもざわつかずにカスピアン王の言葉を聴いていた。
エドマンドはぐっと歯を食いしばり、決心を固めていた。
「ナルニアの運命が、この戦いにかかっている。助けるべき人たちのことを思おう」
ラインスが少しうつむいた。
ルーシィが優しくゲイルの背中を撫でた。
カスピアンは空を見上げ、最後の言葉を吐き出した。
「アスランと―――ナルニアのことを！」
そう言って、階段を降りかけたときだった。
「ナルニアのために！」
船員の一人が叫んだ。
一人が叫ぶと、船員たちは弓矢や剣を掲げて、同じように叫んだ。
「ナルニアのために！」
「ナルニアのために！」
カスピアンは顔を上げて一同を見渡した。
「ナルニアのために！」
ゲイルの肩を抱えたルーシィが、笑みを浮かべて叫んだ。
ゲイルもあどけない調子でその言葉を繰り返す。
こんなに一同の心が一つになったのは、船出して以来始めてのことだった。
食事が少ないことで不満をこぼしている船員までもが、決心を固めた顔で叫んでいた。
エドマンドはぽかんとしているカスピアンに、笑って見せた。
Aは微笑み、空に向かってよく通る声で叫んだ。
「アスランのために！」
すぐさま船員たちがその言葉を繰り返し、船の上からはかわるがわる叫び声が放たれた。
「ナルニアのために！」
「アスランのために！」
船員たちは、ナルニアで待っている家族のために。
カスピアンは、ナルニアの国民たちのために。
エドマンドとルーシィは、ナルニア全部のために。
ゲイルは、緑の霧にさらわれた、母親のために。
そしてAは―――
―――アスランのために。
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c-chan=∞『CloveR』 - いえいえ。 続きを見れるだけでも嬉しいです！ これからも頑張ってください！ (2015年1月3日 22時) (
レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - c-chan=∞『CloveR』さん» ありがとうございます！続き楽しみにしてくださっているのに、遅くて申し訳ないです・・・！ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - リンリンさん» ありがとうございます！更新遅くてすみません・・・ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
c-chan=∞『CloveR』 - 続きどうなるんですかねー。 めっちゃ気になります！その為にも頑張って書いてください！応援してます！ (2015年1月3日 2時) (レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！頑張ってください( *´艸｀) (2014年12月31日 1時) (レス) id: ca6816fec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月姫 | 作成日時：2014年1月11日 12時
