カスピアンの二度目の恋 ページ44
船員たちはばらばらと食事にかかり、カスピアン達はリリアンビルについていった。
リリアンビルは純白の着物の裾を引きずりながら、島の小道を縫うように歩いた。
そんなに時間はかからず、一同は島の高台に出た。
明るいリリアンビルの顔にも、暗い影がさした。
「コリアキンから、くらやみ島の話はお聞きに？」
「・・・ああ」
カスピアンはリリアンビルの隣に並びながら、返事をした。
高台から見えたのは、まがまがしい闇の島だった。
緑の霧があたりを取り巻き、行きつ戻りつしている。
「もうすぐ、悪を止めることが出来なくなります」
そういったリリアンビルの顔には、さっきAと話していた明るさはまったく見えない。
くらやみ島から放たれる妖気が、彼女を蝕んでいるのだろう。
「七本の剣をアスランのテーブルに置けば、魔法は解けるとコリアキンが・・・」
「真実を語る方です」
リリアンビルは頷いた。
エドマンドは嫌な予感がする、といった表情で口を開いた。
「でも、まだ六本だよ。七本目はどこだかわかる？」
リリアンビルは暗い表情で、人差し指をすっと上げた。
青白い彼女の指は、まっすぐにくらやみ島を指し示していた。
「・・・あそこ。行くには、勇気が必要です」
一同は顔を見合わせた。
剣がくらやみ島にあるということは、くらやみ島に入らなければならないということ。
一同の顔が蒼白になった。
「さあ、時間が無いわ」
リリアンビルは天へ戻ろうと向き直った。
カスピアンは甘い声で話しかけた。
「また、会えるかな？」
リリアンビルの顔に、嬉しそうな笑みが広がった。
リリアンビルははにかむように顔を伏せると、澄んだ瞳でカスピアンを見上げた。
「・・・さようなら」
彼女の体は輝き始め、元通りの星になって、空へ上っていった。
Aはやれやれとため息をついた。
「あの子と夫婦になるんなら、私にそういいなさいよ？
あの頑固者のラマンドゥを説得するのは、私なんだから」
「あの中に、何があると思います？」
タブロスが誰に言うとも無くそう言い出した。
船は不気味なことこのうえないくらやみ島に向かって、進んでいるところだ。
「・・・恐ろしい悪夢」
「・・・邪悪な願い」
エドマンドとカスピアンが、かわるがわるつぶやいた。
しかし、ドリニアンが静かに首を振った。
「純粋な悪です」
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c-chan=∞『CloveR』 - いえいえ。 続きを見れるだけでも嬉しいです！ これからも頑張ってください！ (2015年1月3日 22時) (
レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - c-chan=∞『CloveR』さん» ありがとうございます！続き楽しみにしてくださっているのに、遅くて申し訳ないです・・・！ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - リンリンさん» ありがとうございます！更新遅くてすみません・・・ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
c-chan=∞『CloveR』 - 続きどうなるんですかねー。 めっちゃ気になります！その為にも頑張って書いてください！応援してます！ (2015年1月3日 2時) (レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！頑張ってください( *´艸｀) (2014年12月31日 1時) (レス) id: ca6816fec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月姫 | 作成日時：2014年1月11日 12時
