東は白紙 ページ5
「いいよ、君のだもん。ピーターが譲ったろ？」
カスピアンとエドマンドは微笑みあった。
「君のこれも、預かっておいた」
カスピアンは同じ棚から懐中電灯を取り出し、エドマンドに投げた。
「ありがと」
エドマンドは苦笑し、点けてみていた。
それから四人は、船長室に向かった。
カスピアンはナルニア領土の地図を広げた。
「君たちが行った後、北の巨人を無条件降伏させ、カロールメンの軍隊を砂漠で倒した。
ナルニアは平和になったんだ」
「平和？」
「たった三年で」
カスピアンは少しだけ自慢そうに言った。
自慢するだけの事はある。
巨人を降伏させることは難しいし、カロールメン達の軍隊は何万とあるのだ。
「その間にお妃は見つかった？」
ルーシィは悪戯っぽく尋ねた。
「いや、スーザン以上の人はまだ・・・」
カスピアンは照れたように答えた。
「バカップルが」
Aが笑いを押し殺しながら、ぼそっと呟く。
「A、なにか言ったかい？」
「別に何も」
「いっそAにでもするかな」
「は？」
「お妃」
「冗談でしょ」
「ちょっと待って」
エドマンドが口をはさんだ。
「戦争が終わって、誰も困って無いなら、何故僕らが呼ばれたの？」
「いい質問だ。私もそれを考えていた」
「何処に向かってるの？」
エドマンドが再び海図を覗き込んだ。
「私が王位を取り返す前に、叔父は父の七人の友人を殺そうとしたんだ。
テルマールの七卿を・・・」
カスピアンの後ろの壁には、七人の肖像画が貼ってあった。
「彼らは離れ島諸島へ逃げ、消息を絶った」
「その人達に何かあったと思う？」
エドマンドが、肖像画を眺めながら尋ねた。
「何かあったのなら、ぜひ突き止めないと」
「離れ島諸島の東はどんなところ？」
ルーシィは海図の上に手を滑らせた。
東の方は白紙だ。
「まだ誰も見たことが無いんです」
答えたのは船長のドリニアンだった。
「想像を絶する魔物や、大きな海蛇がいるとの噂で」
ルーシィとエドマンドが顔を見合わせた。
「・・・海蛇？」
「船長、もういい。法螺話はまたにしろ」
カスピアンは軽く笑うと、林檎を齧った。
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c-chan=∞『CloveR』 - いえいえ。 続きを見れるだけでも嬉しいです！ これからも頑張ってください！ (2015年1月3日 22時) (
レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - c-chan=∞『CloveR』さん» ありがとうございます！続き楽しみにしてくださっているのに、遅くて申し訳ないです・・・！ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - リンリンさん» ありがとうございます！更新遅くてすみません・・・ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
c-chan=∞『CloveR』 - 続きどうなるんですかねー。 めっちゃ気になります！その為にも頑張って書いてください！応援してます！ (2015年1月3日 2時) (レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！頑張ってください( *´艸｀) (2014年12月31日 1時) (レス) id: ca6816fec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月姫 | 作成日時：2014年1月11日 12時
