試される ページ29
コリアキンは地図上の雲を踏み分けながら、また地図に島を映し出させた。
「魔法を解くには、青い星を追って―――ラマンドゥの島へ」
地図に浮かび上がったのは、さっきの島とはまったく違う島だった。
自然豊かで、緑に包まれ、滝が流れている。
その島の真上に、透き通った青い星が輝いている。
「アスランのテーブルに七本の剣が並ぶとき、真の魔力が解き放たれるのだ」
カスピアンはドリニアンを振り返った。
ドリニアンは難しい顔をして、地図を見据えていた。
「だが、用心を。お前たち皆が、試されようとしている」
「試されるって？」
ルーシィが顔をこわばらせて尋ねた。
「剣が七本そろうまで、悪のほうが優位にある。あの手この手でお前たちを誘惑するだろう」
少し怯えたようなルーシィの手を、Aが元気付けるように握り締めた。
ルーシィは少し青ざめていたが、Aの手を握り返した。
コリアキンは力強い声を響かせた。
「強くあれ」
カスピアンとエドマンドも、コリアキンの忠告を聞き逃すまいとしていた。
コリアキンの声は、心の中まで踏み込んでくるようだった。
「誘惑に負けぬよう。くらやみ島に打ち勝つには、心の闇に勝たねばならない」
館の外に出たときには、全員の表情がこわばっていた。
全員くらやみ島と、それに付きまとう恐ろしいもののことを考えていたのだ。
だが、それを紛らわせてくれるものがあった。
海辺に出ると、“のうなし”たちが茂みのなかから飛び出して、さかんに喋り始めたのだ。
最初は耳が痛くなるほどがまんのならないものだったが、リーピチープが良いことを思いついた。
船から小さな革張り舟を出してもらい、それに乗って水辺をすいすいとこぎまわったのだ。
のうなしたちはすっかりそれに興味を引かれてしまい、リーピチープはこう叫んだ。
「偉くて賢い一本足の方々。方々には、このような船は要らないでしょう。
お一人ずつ、その代わりをする足をお持ちですからなあ。
その足で、水の上を軽くとんで御覧なさい。どうなるでしょうなあ」
のうなしたちはすぐさまやってみようとし、それがすっかり上手くいったのだ。
のうなしたちは朝びらき丸のまわりをこぎまわり、たがいに競争をした。
その褒美の品には船からぶどう酒がおろされて、船員たちはそれを眺めて大声で笑った。
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c-chan=∞『CloveR』 - いえいえ。 続きを見れるだけでも嬉しいです！ これからも頑張ってください！ (2015年1月3日 22時) (
レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - c-chan=∞『CloveR』さん» ありがとうございます！続き楽しみにしてくださっているのに、遅くて申し訳ないです・・・！ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - リンリンさん» ありがとうございます！更新遅くてすみません・・・ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
c-chan=∞『CloveR』 - 続きどうなるんですかねー。 めっちゃ気になります！その為にも頑張って書いてください！応援してます！ (2015年1月3日 2時) (レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！頑張ってください( *´艸｀) (2014年12月31日 1時) (レス) id: ca6816fec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月姫 | 作成日時：2014年1月11日 12時
