「見えないもの」 ページ24
「でもどうして、あの足跡のやつらはルーシィだけを攫ったのかしら？」
Aはつぶやいた。
カスピアンとエドマンドがけげんそうにAを見る。
「だってそうでしょ？
こちらに敵意があるなら、寝ているうちに武器を取り上げ、殺してしまえばいいじゃない。
逃げて島に散らばったとしても、やつらのほうが島の地形には詳しいんだから、一人ひとり捕まえることが出来るでしょ」
「確かにそうだな。どうしてルーシィを狙ったのか解らない。
人質にするなら、ゲイルのほうを狙うはずだし、身分の高いものなら、特別な鎧を着けているカスピアンか僕、薄衣のAを狙うはずだし」
エドマンドもそれに賛成する。
足跡を追っていくうち、一同は不思議な庭に入り込んでいた。
くねくねとした形に剪定された植物や、いろいろな模様のつけられた芝生。
そこに、きらきら光るナイフが落ちていた。
エドマンドがそれを拾い上げて、カスピアンに見せた。
「カスピアン、ルーシィの短剣が」
突然、頭上から槍が降ってきて地面に突き刺さった。
一同は慌てて剣を抜いたが、槍を放ったものの姿が無い。
「とまれ、さもないと殺すぞ！」
脅し文句とともに、カスピアンの剣が手から叩き落された。
船員たちがあちこちで殴られたり、地面に倒されたりした。
Aは風邪を切る音を聞いて、身を交わした。
そして短剣を抜いて槍が飛んできたほうに向け、ゲイルを庇いこんだ。
「お前たち何者だ？」
カスピアンが空中を睨みながらたずねた。
「大男だ、頭はトラ、体、は・・・」
「別のトラ！」
「そうだそうだ！」
あちこちで賛成する声が聞こえる。
声の聞こえてきたところには、透明な「何か」がうごめいていた。
「それは大男っていわないんじゃないの？ただのトラよ」
Aは呆れたように言うと、地面にかがみこんで、一頭の雌トラに変わった。
「見えないもの」の中に、明らかに動揺が広がる。
「お、俺たちを怒らせないほうがいいぞ！」
「怒らせたら？」
エドマンドが、妹の短剣をしっかと握り締めながら尋ねた。
「爪でひっかいて、殺す！」
「俺は鋭い牙で貫いてやる！」
「見えないもの」たちはそんなことを言っていたが、一同は噴出しそうになってしまった。
透明な何かは形作られ、本来の姿が見えてきたのだ。
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c-chan=∞『CloveR』 - いえいえ。 続きを見れるだけでも嬉しいです！ これからも頑張ってください！ (2015年1月3日 22時) (
レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - c-chan=∞『CloveR』さん» ありがとうございます！続き楽しみにしてくださっているのに、遅くて申し訳ないです・・・！ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
月姫(プロフ) - リンリンさん» ありがとうございます！更新遅くてすみません・・・ (2015年1月3日 10時) (レス) id: b69aaedff2 (このIDを非表示/違反報告)
c-chan=∞『CloveR』 - 続きどうなるんですかねー。 めっちゃ気になります！その為にも頑張って書いてください！応援してます！ (2015年1月3日 2時) (レス) id: 336e66950f (このIDを非表示/違反報告)
リンリン(プロフ) - 続きめっちゃ気になります！頑張ってください( *´艸｀) (2014年12月31日 1時) (レス) id: ca6816fec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月姫 | 作成日時：2014年1月11日 12時
