story 48 ページ48
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「おーし、到着〜」
「こ、ここは……？」
「んーまあ、それはお楽しみっつーことで。ちょっと歩くんで、着いてきてください。」
停車したかと思えば、そこはどこかに隣接しているらしい駐車場だった。ぐるりと辺りを見回すも木の葉が重なるばかりで、特に目立った何かがあるという訳でもなく、少し歩くと言った彼の背中に大人しく着いていくことにした。
辺りは暗く、街灯と、どこか離れた場所にちらりと見える建物の明かりしか視界に確認できる光はない。2歩ほど前に出て歩く彼を見失わないように見つめ、着いていくこと数分。ひらけた場所に出たかと思えば、進む先には、上にドーナツ型の足場を浮かべた、約20段程を一纏めとしたそれが3つ連なっている、大きくも緩やかな階段が佇んでいた。
「ッあ、ここ、1度来てみたかったところです……！」
「あ、ほんとに？そりゃよかったっすわ。」
階段の隅には、その敷地の名前が書かれた看板が立て掛けられていて、ここでやっと現在地を理解することができた。“1度来てみたかった”というのは決して嘘ではなく、絶景の夜景が見れる場所だということで、既に興味を持っていた場所で間違いなくて。その素直な気持ちを口に出せば、横に並ぶ彼は驚き混じりに笑い、嬉しそうに私へ視線を向けた。
そのまま階段へ足を運ぶと、「転ばないように気をつけて下さいよ」という優しい声が届く。その声に対して「了解です！」と自信満々に返したは良いのだが、……ものの数分後、残り数段で登りきるというところでしっかりと躓くのだから、もう引き攣るしかなかった。
「ッははは、ッなんで、なあんでそこでコケんのよ。」
「ッわ、笑わないでくださいよ！もう……！」
「いやあすいません、っふふ、」
「あ〜もう、忘れてください……！」
階段を登りきり再度歩き始めるも、何やら先程躓いた私が頭から離れないらしく、ずっと隣で笑っているこの男。心配されるよりも笑ってもらえた方がこちらとしても有難くはあるが、そうは言っても恥ずかしすぎて、穴があるなら入りたかった。そんな今の自分の顔色など容易に想像でき、先程からの一連の恥ずかしさから、少し視線を下げて地面を見つめ歩いていると、またもや、頭上から声が降ってきた。
「余所見すると危ねえでしょ、またコケますよ。」
「……次転びそうになったら、あらきさんに助けてもらうので平気です。」
「っはは、俺なのね。……んじゃあ、手ェ繋いどきますか？」
「……へ、」
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
