story 4 ページ4
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あれから数日が経ち、今日は成瀬と会う約束の日。そして今は、待ち合わせ場所の店の席で、成瀬を待っているところだった。
もう既にドリンクバーを頼み、ひたすら水分だけを摂取しているのだが、緊張からだろうか、異常な程に喉が渇く。しかもかれこれ四杯目。さっきから席を立ったり座ったりを繰り返す私は、忙しない人だとでも思われているのだろうか。
(……いつも通り、いつも通り)
久しぶりに会うから緊張しているという訳ではない。ただ、ただの友人だと思っていた成瀬が“nqrse”なのだと分かってしまったことが原因なのであって。あっという間に空になったグラスを持ち、再び席を立ってドリンクバーへ向かう。ちなみに集合時間から15分ほど経ったが、未だに成瀬は来ていない。
どれにしよう、とディスペンサーの前に立ち少し悩んだ末、アイスコーヒーのボタンへ手を伸ばそうとしたその時。ピッ、と自分ではない誰かの手によってそのボタンは押された。横から差し込まれた腕と、斜め後ろに感じる人の気配。恐る恐る後ろを振り返ると、そこには
「……成瀬、」
「久しぶり、A。」
先程からのお騒がせ人、成瀬の姿があった。突然の登場で呆然とする私をよそに、水準まで注がれたグラスを手に取って渡してくる。
「はい、どぞ」
「……押したのがアイスコーヒーだったから許す。」
「いや違くても許せよ」
ケラケラと笑いながら言う成瀬はなにやら楽しそうで、お互い席に着いてからは会わなかった一か月の間の話をして時間を過ごした。成瀬は自分がnqrseであると知られてもいつも通りで、それがまた嬉しくて。そして話に一段落付いた時、この男は楽しげに口を開いた。
「あ、A。……はい、これチケット。」
「……え、貰っていいの？」
「そりゃこっちから誘ったんだから。貰ってよ」
何気なくスっと差し出されたそれは例のライブチケットだった。突然のプレゼントに驚きが隠せず、少し震える手でチケットを受け取れば、思わずまじまじと見つめてしまう。
それもそのはず、チケットへ記載された整理番号はライブ経験のない私でさえも分かる程に“良い”番号だった。その興奮をそのまま口に出せば、なにやら成瀬は上機嫌そう。だかこちらとしては申し訳なくも感じてしまう訳で。
「こんなにいいもの、私にくれちゃって良いの？」
「いいの。逆にそこまで喜んでくれて、俺の方が嬉しいわ」
ふわりと微笑みながらそう言った成瀬に、心の底から感謝した。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
