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(あ、これ美味しそう)
袋から出されシンクに並べられた缶飲料をまじまじと眺めていると、とある1つのお酒に目を奪われた。するといきなり、今まさに視界に捉えていたはずのそのお酒が1人の手によって持ち上げられたのだ。
「ん、これっすか？」
「ッあ、え」
「その反応は当たりっすね〜」
缶を持つ手を辿れば、そこには楽しそうに笑うあらきさんの姿があった。私の言葉を待つことなく、早々とプルタブに手をかけて飲み口を開ければ、用意されていたグラスへ注いでいく。
「ッすみません ありがとうございます、グラスまで……！」
「いーっすよ。てかAさん、分かりやすすぎてウケる」
「そ、そんな分かりやすかったですかね」
「っふふ、はい、そんな分かりやすかったです」
そうして話し終えた後に全て注ぎきったグラスを受け取ると、なるせが待ってるからと先にリビングへ戻るように促された。それに従って戻れば、あらきさんが言った通り既に腰を下ろしたなるせの姿があり、私に続きあらきさんもリビングへ戻ると、3人でテーブルを囲むように座る。それじゃあ乾杯しちゃいますか、というなるせの声が掛かり、まだ陽の差す部屋にグラスの重なる音が響いた。
グラスに注がれたアルコールを少しずつ喉へ流し込む。経験したことの無いこの状況にまだ緊張が残っているが、1つのテーブルを囲んで飲む和やかな雰囲気にほんのり笑みが零れた。
***
カラカラ、と氷がグラスの中で回る。カーテンから透ける空は、陽も落ちきり藍色に変化していた。大量にあった袋の中の缶飲料も着々と減っていて、相変わらず私達の間には柔らかい空気が流れている。
程よく回った酔いが心地良い。ポツポツと止まることのない雑談もまた、お酒を進ませる材料となるには十分で。するとこのタイミングで、私と向き合うように座っているあらきさんが口を開いたのだ。
「なるせさん、キッチン借りていいすか？」
「んーー？いいよ〜…」
そう問いかけ、なにやら眠たげな様子のなるせから許可を得ると、「お腹すきません？」と私に問いかけた。ふと時計へ目を向ければ、短針は6と7の間を指していて夕飯とするなら丁度良い時間。
「確かに、何か食べたいですね……」
「ですよねー、こんな事もあるかと思って買ってきたんすよ。」
そう言って立ち上がり、真っ先にキッチンへ向かうあらきさん。その姿をみて私も慌てて立ち上がれば、その後ろ姿に着いて行った。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
