story 27 ページ27
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思いがけない質問に、少しの沈黙。悩んだのもつかの間、すぐに答えはでた。─…関係と聞かれれば、答えるのは1つしかないだろう。
「た、他人……」
「……」
「……じゃないと、ダメな関係？」
「……ッふ、なるほど」
“他人です”、と言い切るつもりだったのだけど、出来なかった。だって、ミラー越しに見えたあなたの顔が、少しだけ歪んだ気がしたから。……じゃなくて、本当は私自身が少し寂しく感じてしまったから。少し濁すように言ってしまったが、目の前の後ろ姿はなにやら満足気なので少し安心した。暫くすると青信号に変わり、ゆっくりと進み出す。また少しの沈黙を挟んだ後、今度は私の方から口を開いた。
「……あらきさんも、なるせから来いって誘われたんですよね？」
「ん？ああ、そーっすよ」
「やっぱり…、まさかまたこんな機会があるとは思ってませんでした」
「そのまさかがあるんすよ、しかもスパン短いし」
そう言って笑うあらきさんに共感する。あのライブから1週間後の、今日なのだ。もう二度とないと思っていた機会が、こんなにもすぐ訪れるものなのか、と運の強さに少し引いてしまう。
「……ああそういえば、打ち上げ来なかったっすね」
「………！」
……驚いた。まさか、そこに触れてくるとは。平然と運転を続けるあらきさんを他所に、私の頭に浮かぶのはライブ後の夜の記憶。なんて返したらいいのかわからなくて、そのまま黙っていると続けて彼が口を開いた。
「ありがとうございます、気使ってくれて。」
「……え、」
「Aさん、凄く考えてくれてますよね、色々」
「えっ、えっ」
なにやら淡々と話し続ける彼に、ついていけなくなってしまっている私。
「なるせがこんな回りくどいことする理由も分かりましたよー、今日だって俺いると来ないっすもんね、絶対」
「……ッ、すみません！私ったら失礼な、」
へらりと笑いながら言うあらきさんに、何故だか罪悪感が込み上げてきて反射的に謝ってしまった。……いや、自分が思っていたことをピンポイントに刺されて、いてもたってもいられなくなったの方が正しいかもしれない。
「そーんな、失礼じゃないっすよー、寧ろめっちゃいい人やんって思いました」
「………い、いい人？」
Hey Siri、どういうこと？
何故か褒められ、いい人認定されてしまっているこの状況が未だ理解できない。……それに、あんまり褒められると恥ずかしいので口を閉じて貰いたい。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
