story 25 ページ25
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タクシーとは上手く言ったものである。あの悪魔に、まんまとやられてしまった。
(まてまてまて、いや、……なんで？)
僅か数メートル先にいるのだ、彼が。あれは間違いなく彼である。信じられない光景に、嫌な汗が滲む。運転席でリラックスして座る姿が窓越しにしっかりと確認でき、当たり前のように私の家の前で待機しているのだ。
「……ど、どうすべき、なの？」
何事もなく車に乗り込むことができる程、私は肝が据わっている訳では無い。予想外の事態にぐるぐると頭が回り、未だに足を動かすことができない私は、彼の乗る車を凝視することしかできなかった。
すると丁度このタイミングで、お騒がせの
今貴方が笑顔を向けた女は、貴方のリスナーだということを分かっているのだろうか。すると、私に気づいた彼は慣れた手つきでボタンを押し、私側の窓を開く。全て窓が開き切ると、中からよく通る声が聞こえてきた。
「いやー、どうも、びっくりしましたよね」
ケラケラと笑いながらそう言う彼は、「とりあえず乗ってくださいよ、話は中で」とさながら楽しそう。とりあえずと言われても気が引けて仕方がないが、とはいえこのまま待たせるのも申し訳ないので、そろそろと車へ近寄り、後部座席の扉へ手をかけた。
「……え？！そっち？！」
「ッえ？！ごめんなさい、助手席の方が良かったですか…？」
「いやいや、好きな方でいいですよ、てっきりこっちに座るかと思ったんでー」
そう言ってポンポン、と助手席が叩かれる。ああ、驚いた。いきなり大声を出されたから何か悪いことをしてしまったのかと思った。
「隣だと私が死んじゃうので、後ろで失礼します…！」
「ふふ、どうぞどうぞ」
「し、失礼します、お願いします…！」
「っはははは」
何が面白いのか分からないが、ケラケラと笑う彼を他所に腰を丸めて静かに乗り込む。助手席に座るだなんて、そんな自ら死を選びに行く様な馬鹿なことをできるはずがない。そんなこんなで何とか乗り込み扉を閉めれば、推しと2人きりの密室空間のできあがり。勝手に意識して荒ぶる鼓動を収めるべく、ふう、と一息ついた私は意を決して口を開いた。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
