story 20 ページ20
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(……あっという間すぎて、気持ちの整理がつかないんだけど、)
暗闇に包まれていた場内が、徐々に照らされていく。ほんの数分前まで目の前にいたのだ、推しが。ファンの声援を浴びながら歌う二人はすごく輝いていて、かっこよくて。爆音の音楽にのせて奏でられる二人の音楽に、まんまと飲み込まれた。
普段一緒に飲んでいる姿からは想像がつかない、歌い手のなるせの姿に度肝を抜かれ、凄い人と友達なんだなあと改めて感じたり。辺りを見回せば、興奮が冷めやらないとでも言うように二人へのコメントが飛び交っている。この光景や雰囲気を初めて体験する私には、とても良い刺激になった。途中、あらきさんと目が合ったような気がしたが、気の所為だろうか。一瞬だけど、私を見た途端少し驚いていたような。……いや、気の所為でも構わない。こういうのは勘違いしたモン勝ちだ、と何処かで聞いたことがある。
とはいえ、なるせは間違いなく私を見ていた。目の前に来てピースしてきた時には確信犯過ぎて反応に困ったけれど、もはや隣がなるせのリスナーで気まずかったとしか覚えてない。それでも不自然にならないように他のリスナーへのファンサも忘れないのだから、素直に凄いと感じた。
時折そうやってリスナーへファンサをするなるせと対照的に、あらきさんにはそういうシーンがあまり無かった気がする。ひたすら目で追っていたから気づいたことだけれど、それに気づいた途端、あくまで彼は音楽を売っているんだと感じざるを得なかった。
残念だと思ったりファンサを否定している訳では一切なくて。あらきさんらしいな〜、で片付けてしまえばそれで終わりだが、私はそこに彼の音楽への姿勢を感じたのだ。─…そんな事を思い返しているうちに、ゆっくりと進んでいた退場列の流れも速くなり、私の体はいつの間にかに夜風に晒されていた。
( 帰りは、今日のセトリで決まりだな。)
ライブ後の余韻とは、これのことか。初めて体験する幸せな気持ちのおかげで、疲れてきっている足も全く気にならない。日が落ちきった夜のひんやりとした空気を感じながら、そのまま車を駐めた駐車場へ向かった。
***
車に乗り込み、買った大量のグッズを後部座席に置く。キーを挿しエンジンをかけていざ出発、……といったところで、一通の着信音が鳴り響いた。
「……なるせ？」
画面に表示された名前を確認すれば、そこには見慣れた文字。迷わずスマホを手に取り、耳元へ近づけた。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
