story 15 ページ15
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(………あつ、)
ぴと、と手を頬に添えてみれば、分かりやすく感じる体温。鏡を見ずとも分かるほど、それは明らかに熱を帯びていた。平然を装っただなんてとんでもない、全く装えてなかっただなんて。
一体いつからだろう。知らぬ間に赤くなっていたことと、それを笑われていた恥ずかしさでもう頭はいっぱいだった。
「あ、もっと赤くなった」
「からかわないでください、あらきさん…！」
「Aって意外と照れ屋だよね、カワイーー」
「な、なるせ！」
「っんはは、カワイーカワイーー」
「……ッあらきさん！」
前と横からの攻撃が止まらない。誰か、この状況をどうにかしてくれないだろうか。少し悪い顔をして、ここぞとばかりにいじり倒してくる二人は、心做しかいきいきとして見える。……それに、例え冗談だとしても推しからの“可愛い”は心臓にくるものだ。正直、顔には出さないが心の中では大暴れである。ああ、顔が熱い。未だ笑顔の2人をよそに、とりあえず顔の赤みを落ち着けたかった私は、ふう、と短く息をついた。
───コンコン
突如、扉を叩く無機質な音が響き、部屋には一瞬の静寂が訪れた。はーい、と少し間延びしたなるせの声が返れば、失礼しますという言葉と共に開き出す扉。
「nqrseさん、本日のステージについて急遽確認したいことがあるのですが、今お時間頂けますでしょうか。」
スタッフと書かれたTシャツを着た彼は、何やらなるせに用があるらしかった。その言葉にもまた、はーい今行きまーす、と間延びした声で返したなるせは、そのまま立ち上がりスタスタと楽屋から出ていった。バタン、と扉が閉まれば、取り残されたのは私とあらきさんのみ。文字通り2人きりとなったこの空間は、案の定静寂に包まれた。
なにか、なにか話題を作らねば。そう思い焦るも、生憎私にはこういう時に時間を持たせることができるような話題やスキルは持ち合わせていない。勝手に焦り困っていると、この空気を特に気にしていなさそうなあらきさんがゆっくりと口を開いた。
「そうだ、なんか好きなお菓子とかあります？」
「……お、お菓子？」
「はあい、こん中から好きなの取って食べちゃってくださいよ。」
いきなりお菓子の話かと思えば、テーブルの上に常備されているケータリングのお菓子をケースごと差し出される。
「わ、わあ、頂きます…！」
正直お菓子を食べたい気分でもなかったが、そういう訳にも行かず、流れのままにお菓子へ手を伸ばした。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
