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「まあとりあえず、中入っちゃってくださいよ。」
にこやかにそう言われ、固く包まれていた手が開放される。篭った熱が逃げていく感覚に名残惜しさを感じている私とは対照的に、あらきさんは開いている扉を背にして抑え、どうぞ、と私を手で誘導した。失礼します、と肩を
中へ入ると、私とあらきさんが手を交わしていたうちにいつの間にかに楽屋へ入っていたらしいなるせの姿が目に入る。設置されたソファに座っていて、私が入ってきたことを確認したなるせは、何やら楽しそうに口を開いた。
「生あらきさん、感動した？」
「感動って……そんな暇ないよ、緊張しすぎて」
胸を手で押さえてそう言えば、なるせはケラケラと笑い「まあ座んな」と言って隣に空いているスペースを叩いた。そのまま従ってなるせの隣に腰かけると、少し緊張が解けたのか、ほっと一息つくことができた。
「っははは、そんなに緊張しなくていいのにー」
「そんな、無理ですよ…！もうここに来る前からドッキドキで…」
ゆったりとこちらへ歩み寄り、私となるせに向かい合うように目の前のソファへ腰をかけたあらきさん。決して威圧的でない 柔らかい声色なものの、あらきさんに話しかけられる度に力んでしまう私は、未だに目を見て話せずにいた。
「確かに、全く目が合わないっすもんね」
「ッすみません、き、緊張しちゃって」
気にしている部分をつっこまれ、分かりやすく動揺してしまう。そんな私をみたあらきさんは、何やら面白いものを見たかのように笑いだした。あははは、と配信で聞いたことのある笑い声に釣られて、相変わらず下へ向けていた視線をチラリ、とそちらに向ける。するとそこには、目を細めてくしゃりと笑う彼の姿があった。
(……こんな風に、笑うんだ)
初めて見る笑顔に、ドキ、と胸が鳴る。この笑顔の理由は自分なのだろうか、と都合よく解釈しては勝手に恥ずかしくなり。照れに似た感情が心を占めたが、その感情を悟られないように平然を装った。
「な、なんで笑ってるんですか。」
「っいや、面白くて、っはは」
「……？」
「っあっはっはっは、A、顔あっっか！！」
「か、顔？！」
理解が追いつかないうちに、隣に座るなるせにまで爆笑される始末。……顔が赤いだなんて、そんな訳。そう思いつつも、私は慌てて自分の顔へ手を近付けた。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
