story 13 ページ13
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頭の中はこんなにも活発なのに、ここまで体は動かないものなのか。やばいやばいやばい、と脳内を駆け回る言葉に対し、体は魂が抜けたかのように直立から動かない。ライブ前だからかしっかりとセットされている髪に、メイク。画面越しでしか見たことのなかったその姿は、実物の方が数倍かっこよくて。
「こちらの方が、なるせさんのお友達？」
「そうそう。……でも多分ド緊張してる、っふふ」
ちらりと私を一瞥した後、なるせに問いかけるあらきさん。そんなあらきさんへなるせは雑に私の紹介を済ませたが、笑い堪えきれてないのバレてるからな。
「ああ、やっぱり。はじめまして〜あらきです。」
「っは、はじめまして…！」
だが、悔しいことになるせの言う通りド緊張している私は、ペコペコと会釈をしながら放つこの一言が限界だった。普段よりも少し高くなった声で話す私に、なるせからキモ、とでも言うような表情を向けられる。その表情には完全に面白がっているであろう笑みも含まれていて、推しが前にいなければ一発くれてやるところだった。
こちとらこれが精一杯で、折角目の前に推しがいるのに直視することすらできないでいるのだ。目を合わせるなんて以ての外、顔は少し俯き視線はほぼ下を向いている。……できることならしっかりとそのお顔を目に焼き付けて、愛想良く振る舞いたいのに。
そんな事を思っていると、足元を映していたはずの視界に何やら大きな手が映り込んできた。
「いやー来てくれてありがとうございます、ほんとに。」
「っ、え、」
明らかに自分に向けられたであろうその言葉。慌てて顔を上げるとそこには、しっかりと私を視界に捉えたあらきさんの姿があった。バチりと視線が合わさり、思わず息を呑む。そのまま視線を下にずらすと、こちらへ差し出されたままのあらきさんの手が。
(……っああ、握手！)
先程視界に映り込んできた手の正体と、差し出された意味にやっと気づき、勢いよく自分の手を添えた。
「い、いえ！なるせに招待して貰えて来れたようなもので…！私がお礼を言いたいくらいです……！」
「それでも嬉しいっすよー。めちゃくちゃいいステージになると思うので、楽しみにしててくださいね。」
そう言うとあらきさんは、私の手の上から更に手を被せ、そのまま両手で上下に振った。男らしい手にグッと強めに握られ、しっかりと感じる体温。この状況が嬉しくて自然と頬が緩み、あらきさんもまた釣られたように柔らかく微笑んだ。
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こんぺい - 最推しの小説を探しててやっと見つけることが出来ました！！！出会えたこの作品と作者様に感謝です、、、、 (2021年11月23日 23時) (
レス) id: 08c835e323 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 本当に好きです！この作品！！ (2021年8月30日 4時) (レス) id: 17ad6f88d5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら - 続く、、続く、、更新めっちゃ頑張ってください、、（なんかプレッシャーになってたらすいません） (2021年6月27日 4時) (レス) id: f269c77d86 (このIDを非表示/違反報告)
小梅 - なぜ今まで読んでいなかったんだ…… めちゃくちゃ面白くて続きが気になります！ (2021年6月21日 18時) (レス) id: 7947c0ed70 (このIDを非表示/違反報告)
涼 - あらなるがかわいすぎる...更新頑張ってください!!! (2018年8月24日 13時) (レス) id: d379028483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑞乃。 | 作成日時：2017年11月10日 22時
