第9話 ページ9
--しのぶside--
『え、ちょっと、しのぶ…?』
Aが焦っているのがよくわかる。
でも鬼のことはともかく竈門くんは怪我をしているわけだから蝶屋敷で治療をしなければ。
あとできちんとAには説明をしなくては。
そんなことを考えていると、横にいるAの体がグラッと傾いていくのが見えた。
「…A?!」
ガシッ
杏「大丈夫か?!」
地面にぶつかる寸前で煉獄さんがAを支えてくれた。
Aは完全に気を失っている。
「痛みが限界に達したのね…」
ワラワラと柱が集まる
蜜「A君…大丈夫かしら?」
産「しのぶ、Aはどうしたのかな?」
「お館様…毎日痛み止めを打っているのですが、昨晩は那田蜘蛛山での戦いがありまして、タイミングを逃してしまって…」
産「なるほど…それははやく蝶屋敷に連れていった方が良さそうだね。しのぶは柱合会議には出なくていいからはやく治療をしてあげなさい。」
「…!ありがとうございます…!」
隠に頼んで急いで蝶屋敷に向かい、治療室のベッドに寝かせる。
Aは意識がないものの顔は痛みからなのか眉間に皺を寄せ苦しんでいるように見える。
「すみません…私がついていながら…」
そっとAの手を握る。
痛み止めを打つためそっと手を離し、準備に向かおうとした時
『…っは、はぁっ!はぁっ!』
急にAが、はやく荒い息をし始めた。
「これは、過呼吸…!」
ただ過呼吸に効く薬は無い。
Aの背中を落ち着くまでさするしか方法はなかった。
「…A」
しばらくするとAの呼吸は元に戻りスゥスゥと規則的な呼吸になった。
(…なにかAのストレスになることでも…)
ただAの手を握り背中をさすることしか出来ない自分に腹が立った。
「竈門くんたちの様子も見に行かなくては…」
Aのことが気がかりではあるが、自分の職務を怠るわけにはいかない。
竈門くん達の様子を見るためそっとAの頭をなで、部屋を後にした。
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作者名:まるも | 作成日時:2023年6月7日 8時