第5話 ページ5
しばらく走ると水柱である冨岡義勇と、その足元に男の子と女の子が見えた。
『(あの女の子…鬼か?!)』
そう気づくや否やAは女の子に斬りかかった。
が、その攻撃は義勇によってかわされる。
『…おい、なにするんだ。そいつは鬼だろう。何故庇う。』
いつもでは考えられないほどの低い声と殺気を纏っている。
し「そんなだからみんなに嫌われるんですよ。」
気づけば横に来ていたしのぶも義勇に話しかける。
『どけ、義勇。』
義「俺は嫌われてない」
し「すみません嫌われている自覚が無かったんですね
余計なことを言ってしまって申し訳ないです」
なんとも言えない空気が5人を包む。
『坊や。君が庇っているのは鬼だ。危ないから離れろ。』
相変わらずの低い声でAが囁く。
「ちっ、違います!妹なんです俺の妹で それで」
『…妹?そうか。それなら苦しまないようしのぶの優しい毒で殺してもらえ。』
そう言うとしのぶは鞘から刀を出した。
義「動けるか」
義勇が少年に語りかける。
「冨岡さん…すみませんありがとうございます!!」
そういって少年は鬼の少女を抱えて走り出した。
『…これ隊律違反では?』
Aは痛みに加え、義勇の行いにイラつきながら話しかける。
『(まぁ、あっちはカナヲがどうにかするか…)』
少年が逃げた方を見ながらそう考えていると
し「鬼を斬りに行くための私の攻撃は正当ですから違反にはならないと思いますけど冨岡さんのこれは隊律違反です」
そうしのぶの声が聞こえた。
慌ててAが振り返ると義勇に体の自由を奪われているしのぶの姿が目に入った。
『…おい、義勇なにしてんだよ。』
Aのいら立ちは最高潮に達していた
義「…」
何も言わない義勇にAの我慢は限界に達し、義勇の胸ぐらにつかみかかっていた。
『何とか言えよ!!!!まず、俺のしのぶに触ってんじゃねぇ!!鬼まで逃がしやがってふざけんなよ!!』
いつも穏やかなAが怒りに震えているのを見て義勇も思わずしのぶを解放する。
『俺たちは鬼を倒すために闘ってんだろ?!御館様を裏切ってんじゃねぇか!…お前を殺してやる』
そういってAは自分の刀に手をかけた。
怒りで我を忘れているAをしのぶが慌てて制止する。
し「A!私はもう大丈夫ですから!冨岡さんに手を出したらあなたも違反になるわよ!」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まるも | 作成日時:2023年6月7日 8時