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「……うっわ……
これがフラグ回収てやつか……？」
いつもと違ってあんまり待ち遠しくない放課後も、時間が流れる限りやってくるもんで。
いつもは一緒に帰るAも今日は無理やろうなと考えて先に帰ろうとしたところで。
なんとまぁ皮肉なことにAと後輩くんが二人でおる現場に遭遇。
哀しくも見事にフラグを回収したオレは早く帰ろうと踏み出した足をまたその場に収めた。
と、いうのもどうやらちょうど話が終わったみたいでこっちに背中を向けてたAがこっちに向かって歩いてくる。
「……あ、志麻ちゃん……」
「……よっ……」
隠れようとした所で声をかけられては無視するにはかなり厳しい状況と踏んで気まずさを隠せずに返事をする。
「……も、もしかして聞いてた？」
「な、何を……？」
「う、ううん……！
聞いてなかったらいいの……っ」
恥ずかしがるように下を向きながら頬に沿う髪を耳にかけるA。
……つまりは、その。
オレは玉砕と……？
「……な、なんや。
Aもリア充の仲間入りか〜……」
意識しすぎず、意識しすぎず。
そんなことを意識しながら冗談めいてAを茶化す。
しかし、Aの反応は予想していたものとは違った。
「……志麻ちゃんは……何とも思わないの？」
「……っえ？
い、いや嬉しい……で？」
そんなこと……心の中で思ってるわけない。
でも……そうでも強がりを言わな思ってもない言葉でAを傷付けてしまいそうやった。
「……あっそ……」
「ちょ、どこ行くん……っ？」
「帰る。バイバイ」
荷物を取りに教室へ戻っていくA。
その背中には確かに怒りの色が滲んでた。
……やっぱり茶化すのがまずかった……？
「……はは。
なっさけな、オレ……」
今更、考えたり後悔するのは遅いけど……。
どこがまずかったのか。
Aの心情を計りかねた、そんな心苦しい放課後に重たい足を引きずって帰路に着く。
さっきのことが、ずっと頭の中でリピートされる。
その度にこう言うとけば、こうなってた？なんて無駄な想像ばっかり。
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作者名：モコ | 作成日時：2017年6月24日 23時
