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「ち、違うんだ……!
Aちゃんは謝らないで……!」




……原因は自分にあるのだから……。





「う、ううん……。
あ、あたしも一人で盛り上がっちゃったし……ごめんね……?」


「い、いいよ……そんな……っ!
と、ところで……Aちゃん今帰り?」





このままの空気ではいけないと急いで話題転換。




「あっ……、うん。
塾通わされててねぇ……。その帰り。
うらたんは?」


「オレはバイト終わりだよ」


「例の着ぐるみバイト!」


「そうそう」





また会話を再開させながらオレとAちゃんは並んで歩き出す。


時々肩と肩が触れそうになってぎこちなくなってしまう足取り。


だんだんと人が少なくなってきた時、Aちゃんは立ち止まった。




「……Aちゃん?」


「……うらたん……」


「どしたの……?」





先に立ち止まって出来た距離を埋めるように後ろを振り返れば言いづらそうに口ごもるAちゃん。




「聞いても……いいかな。
どうして、このバイトなのか……」


「……っ」


「う、うらたんが言いたくないようなことならこれ以上聞かないよ……!
でもその……聞いたこと無かったから……ただ知りたくて……」





視線を泳がせ気まずそうに下を向くAちゃん。



……分かってる。


彼女はオレに対して純粋な疑問を抱いているだけのこと。


彼女は……他人とは違うこと。


いつかオレも……


トラウマを越えていかなくてはいけないこと。





「時間があれば、ちょっと座って話してもいい?」




それがきっと……今なのかも知れない。

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作者名:モコ | 作成日時:2017年6月24日 23時

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