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「……あ、でも体育の授業で……って秋からダンスの授業だから道具使わないのか……」




ダンスの授業は全学年統一。


つまりはそういうわけなので。




「絶体絶命って訳か……」




うずくまり、膝を抱く。



そして、どれほど時間が経ったのかは分からないが……





「えっ……?」





奇跡は……起きた。





「……っA!」


「さ、坂田……くん……?」





逆光に浮かぶシルエット。


あたしをそう呼ぶその声はまさしく坂田くんだった。



それはそれはヒーローのような登場で……。





「大丈夫?」


「う、うん……」





手を差し伸べてくれた坂田くんの手を取って外へ出れば太陽の陽射しが眩しくて目を細める。





「ど、どうしてここが……?」


「……その……」





坂田くんと仲良くすることを良く思わないあの三人組が坂田くんにこの場所を教えるなんて考え難い。



それに坂田くんだってエスパーではないのだからあたしがいなくなったからと言っても場所を特定するのは難しい。



そして気になるのは口ごもる坂田くんの様子だった。



最近ずっとこんな感じなのだ。

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作者名:モコ | 作成日時:2017年6月24日 23時

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