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「……そう、なんか……」
もしかしたら……
そんな淡い期待もかき消されてしまう。
「……なんで決まった時、言うてくれへんかったん……？」
「……言えないよ。
言わなきゃって……思ってはいたけど……
ずっと一緒にいてくれたからこそ……言えなかった……」
幼なじみは気楽で付き合いやすくて自分を理解してくれる親友みたいな存在で……。
でも同時に距離が近いからこそ言えへん秘密や隠したいこともある。
オレがAに想いを伝えられへんのと同じようにAも……。
「そう……やんな。
ごめん……」
「……志麻ちゃんが謝ることないでしょ……？」
「……いや、さっき茶化したことも今も含めて……ごめん……」
「……ううん。
あたしの方こそ……冷たくしちゃってごめんね……」
「Aはなんも……悪くないやん……？」
ごめん、そんな気持ちと……
行かんといて、そんな気持ちと……
好き、そんな気持ちと。
一度に沢山の感情が湧いては通り過ぎ何も口に出来ず……。
「志麻ちゃんさ……」
そこでいったん言葉を区切ったAは玄関の扉を開けた。
驚いて固まるオレに構わず言葉を続けた。
「……あたしがリア充になったーとか勘違いしてるみたいだけど？」
「お、おん……」
「……断ったからね？
まさかまさかの告白されちゃったっていう訳だったけどさ」
「う、嘘やん……？
……だってオレと会った時、照れてるみたいやったからてっきり……」
「他に好きな人がいるって断ったら……その……知ってるって……それでも伝えたかったって言われて……。
その後すぐに志麻ちゃんに会ったから恥ずかしくて……」
「な、なんで……恥ずかしいん？」
「……もうっ……それぐらい分かんないかなぁ……？」
呆れたようにちょっぴり怒った顔をしてみせたA。
「……あ、いや……分からへんっていうかパニックっていうか……」
「……そのままだよ……」
そのままってことは……
いや、でもそのままってことは……？
「もしかして、まさかまさか……
オレのこと…────────」
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作者名：モコ | 作成日時：2017年6月24日 23時
