けやき坂の希望

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河北side







私はさっきある決断をくだした



けやき坂を卒業する



と。


理由は…


病気が悪化したから




元々体が弱かった

小4の時に病気が発見された

今までも定期的に病院に通ってた

それで昨日担当医師に言われた

手術しても治るか分からない
これ以上アイドルを続けるには無理がある
何が起きるか分からない

と



私は人に迷惑をかける事が嫌いだ

だから、せめて迷惑をかける前に卒業しようと

卒業する日は



5月1日

急すぎる事は分かってる。
でもしょうがない…

卒業すると分かっていて活動するのがいやだから…



明日卒業する事を皆に言う

秋元先生には一旦止められた
でも、先生はこう言った

河北がそれでいいなら卒業しろ
もし、後悔するなら卒業するな
お前はまだアイドルとして開花したばかりだ
いつでも戻ってこれる
すごく残念だ

と。



絶対後悔すると分かってる

でも決めたんだ
卒業すると


今ものすごく辛い


誰にも会いたくない…


「蓮希？どうしたの」

後ろから聞こえてきた安心する声に立ち止まってしまった

私は俯く事しか出来ない
顔を上げたら涙を見られちゃうから…

「なんで泣いてるの？」

ぽたぽた落ちて行く涙

こんなはずじゃなかったのにな…


するとふわっとした匂いに包まれた

「泣かないで…蓮希は笑顔が似合うから」

そんな事言われたら…余計溢れてくる…

河北「…明日…分かる…から…」

それだけ言って去った
ごめん
置いてって

ごめん

ごめん…


ごめん


奈緒

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