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紫side
個人の撮影が終わり楽屋に戻る途中、自動販売機でコーヒーを買い喫煙所へ向かう。
何となく、今は2人がいる楽屋に戻りたくなかった。
ほんの少しだけの時間稼ぎ。
缶コーヒーを開けてぼんやりと煙を燻らす。
…あ。しまった。
まだ撮影あるのに。
「…みんなにタバコくさいって言われてまうか」
一本を吸い終わった所でため息をついて喫煙所を後にすると、のろのろ廊下を歩く。
すると、
「っ？！」
急に後ろから手を掴まれると、僅かに開いた扉の中に引きこまれ、電気のついてない薄暗い部屋で壁に押し付けられた。
「ちょ、なんやねん！」
暗くてよく見えないけど、この匂いは、
「流星！」
流星の手が俺の両手首を掴み、壁にグッと押し付ける。
逃げ出そうとするけど、バランスを崩した状態のせいで、うまく力が入らない。
「なにっ、」
青「逃げんなって」
顔のすぐ横で聞こえる低い声にビクッとする。
「逃げ…てへんし。腕…、痛いから離して」
少しの間のあとゆっくり腕を解かれると、今度はぎゅうっと抱き締められる。
青「濱ちゃん、」
切なそうに俺の名前を呼ぶ流星を愛おしく思ってしまう。
ダメなのに、
絶対に許されないのに、
どうしても拒否する事ができない。
流星の背中に腕を回して体重を預ける。
ふふっと笑い声が聞こえた後、流星の唇が目元から頬を通り、やんわりと押し当てるだけの口づけを何度か繰り返す。
鼻孔を擽る、俺のとは違うタバコの香りと、流星の香水。
それと…
淳太の香り。
思わず身体を硬くさせると、流星の手が顎を掴んで上を向かせられる。
薄暗い中でようやく目が合い、上唇を食まれて口を開くよう促される。
あかんのに、
僅かに口を開くと、その隙間から流星の舌が入ってくる。
「っふ、」
少しずつ深くなるキスと、2人の乱れる呼吸。
くらくらと溺れそうになるのを、なけなしの理性で必死に踏みとどまる。
「…っは、りゅ、…も、あかん」
青「…なんで？もうちょっと、…」
必死に逃れようとするのに、流星の唇が追いかけてくる。
「あか、んって、…も、」
青「んん〜、じゃあ、もう一回だけ、……な？」
頬を優しく撫で、口角を上げて俺を見下ろす。
大きく深い黒の瞳に吸い込まれてしまいそう。
「……お前は、……ほんま、ズルい」
流星のシャツを掴んで引き寄せると、流星が嬉しそうに笑った。
→
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紫茉莉花(プロフ) - nonkiさん» 生命の事を描写する事に少し不安もあったけど、いつか書いてみたいと思っていた作品です。年を重ねてお互いの持つ愛情の深まりも感じられたら良いなって思いました。情景を感じとって貰えて凄く嬉しいです🥲 (1月20日 4時) (
レス) @page22 id: 3783008df2 (このIDを非表示/違反報告)
nonki(プロフ) - 雪の日に君を想う、すごく好きです。静かなお話だけど紫桃の相手を想う熱は燃えてて…ほんとにシチュエーション描写が良くて映画みたいに頭の中に広がっていきます💜💗特にラストの締め方（紫桃のベッドシーンの一コマ）最高すぎる！ (1月19日 23時) (レス) @page22 id: 5cdd676e12 (このIDを非表示/違反報告)
むらさきジャス民(プロフ) - ne_iroさん» 泣かせちゃってごめんなさい😭でも、それ程感情移入して貰えたのがすごく嬉しいです😭一日千秋という題材でずっと書いてみたかった作品でした。ne_iroさんのコメほんといつも優しくて励みになります！ありがとうございました(*´∀`*) (2022年8月6日 8時) (レス) @page50 id: ac88e2bdd3 (このIDを非表示/違反報告)
ne_iro(プロフ) - ダメだぁ…ボロボロ泣いちゃいました… こういう系の話苦手だったのに、主さんのお話だと柔らかくて構えずに読めました。こっちのシリーズのお話達も大好きです！！ (2022年8月6日 2時) (レス) @page50 id: 1e987a1157 (このIDを非表示/違反報告)
むらさきジャス民(プロフ) - ne_iroさん» 紙袋をぎゅっとしてる時、キラキラおめめを想像して貰えると嬉しいです💚笑 こちらのお話がかなり久しぶりになってしまってたので、ちょこちょこ載せていきたいなって思ってます😁 (2022年7月20日 13時) (レス) id: ac88e2bdd3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：JWpurple
| 作成日時：2022年1月3日 10時
