�� ページ34
紫side
緑「ほんまは別れたくない。大好き。ずっと濱ちゃんの側におって、二人で年取って行きたい。二人でバカやって笑って、一緒に歌うたって、時々イチャイチャして。二人でおったらそれだけでええ」
紫「…やけど、……神ちゃん、子供…」
緑「そら欲しいよ」
目を丸くしてあっけらかんと言い放つ。
紫「…え？」
緑「んんー、子供はさ？奥さんに産んでもらうだけが全てじゃなくない？極端な事言うてるかもしらんけど」
紫「…でも…」
緑「これは濱ちゃんが寝てる時に思い至った事で、正直付き合ってる時はそこまで考えてへんかった。ほんまごめん。子供が好きやから、つい口にしてた事で濱ちゃんの事を傷付けてしもうたよね。ほんまにごめんなさい」
紫「う、ん…」
緑「濱ちゃん、こんな俺やけど、もう一度付き合ってくれへんかな。今度は俺が濱ちゃんを幸せにする。不安にさせへん。ずっと俺が守ったるから…、一緒におってください」
そう言って、俺の手の甲に優しく口付けた。
紫「でも、俺は年上で…」
緑「俺は濱ちゃんよりガキやな」
紫「あほやし…」
緑「そんなん百も承知」
紫「男やし…」
緑「俺も男なんよ」
紫「世間にバレたら…」
緑「その時は俺が濱ちゃんを守る。だから、濱ちゃんは俺を守って」
紫「…おれ、神ちゃんに酷いこと言うて傷付けた」
緑「そんな事言わせるまで追い詰めてごめん。いっぱい傷付けてごめん」
…あかん、あかん、どうしよう。
緑「濱ちゃん」
神ちゃんが力のある目でハッキリと言う。
緑「俺とやり直してくれませんか？今度はもっともっと濱ちゃんのこと大切にする。濱ちゃん、愛してる」
あぁ、
もうだめや
紫「…俺も…俺も、愛してる。神ちゃんと一緒に居りたい…」
神ちゃんは涙の浮かんだ目で、くしゃくしゃに笑って俺を見上げる。
緑「ありがとう。ほんまに大好き。…ずっとずっと一緒にいよな」
見つめ合い、そして、自然と唇を合わせた。
唇から溶けてしまうんじゃないかと言うくらいに、幸福感に包まれる。
傷付けてごめん。
めちゃくちゃ遠回りしてしまったけど、
これからも思い悩むことも不安になる事もあるだろうけど、
それでも、この道を歩んでいきたい。
大好きな君とずっと一緒に。
end
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作者名：JWpurple
| 作成日時：2021年5月16日 20時
