最果て1 ページ38
「＿＿＿＿おはよう、お寝坊さん。」
意識が覚醒して始めに視界に入ったのは
知ってる天井では無く、見知った顔だった。
その顔は酷く歪みきっていて。
…それでいて涙を堪えきれていない不安と安堵が
混ざったような表情だった。
泣くのを我慢している彼は必死に笑みを浮かべた。
「やぁ、迅……ふふ…ひどい顔ね。」
自分がそうさせているにも関わらず、私は不謹慎
にも笑みをこぼした。
きっと、未来を視た貴方が誰よりも先に会いに
来たのだと解ったから。
相変わらず私の超直感は健在で、迅の顔を視た
だけで大方の事を理解し得た。
「また、心配をかけて……ごめんね。」
「ちがう…違うよ、俺が無力だったばかりに。
(名前)さんに無理をお願いしたから……!!
先を視るだけ見て誘導してメガネ君を助けたかった。」
「迅は無力じゃないさ。
幼い頃から無数の未来を視てきた貴方の想いは
きっと誰にも理解出来ない程に苦しいものだった
はずだわ…。それを大人達は迅を担ぎ上げて平穏を
守ってきた。迅…貴方は無力じゃないわ。
貴方の選択は間違ってなんか無い。」
「俺はｯ!!あの時、あの瞬間(名前)さんがこうなる事を知ってたんだ…。
こんな俺を…慰めないでよ、こんな俺に正しかった
なんて言わないで…!!
アンタに死にに行けと言ったようなもんだろ!?」
「苦渋の選択だったんでしょ?」
知ってるよ…ちゃんと解ってるから。
迅が置いていったメモを手にした刹那に私は
貴方の意図を読み取った。
…ねぇ、迅?
私の超直感をこの世界で1番理解しているのは貴方だと思っている。
これは確信してるわ…。
だからね、迅が敢えてその感情をメモに残した
のだと私はきちんと分かっていたのよ??
私が目覚めることも、前世の柵を断ちに行くことも藍の元へ駆けつけることも。
そして貴方が助けたいと望んだ彼の元へ辿り着く
事も全て貴方は視ていた。
視ていたからこそ、その感情をメモに残した。
私の超直感が人の心に機敏な事を知っているのは
この世界では貴方くらいなものだもの。
「……だから、私も全部理解した上で貴方の
望み通りに跡を辿ったのよ。」
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唄詠(プロフ) - はらぺこあおむしさん» 期待に添えられるような力かは分かりませんが、頑張ります！応援ありがとうございます!! (2019年6月13日 23時) (
レス) id: ea4e738573 (このIDを非表示/違反報告)
はらぺこあおむし(プロフ) - ぎゃー、夢主ちゃんとうとう力の全てを出す感じですか？長かったような短かったようなまだまだ楽しみにしています (2019年6月12日 22時) (レス) id: e8dc64ea52 (このIDを非表示/違反報告)
唄詠(プロフ) - 秋が生き易いさん» ありがとうございます!!私も夢主ちゃんを描いていてとても楽しいので、そう言って頂けると嬉しいです。これから更新頑張ろうという気持ちになります。 (2019年5月26日 1時) (レス) id: ea4e738573 (このIDを非表示/違反報告)
秋が生き易い - 夢主にマジ惚れる。惚れてまうやろぉぉぉぉぉ！ (2019年5月24日 0時) (レス) id: 1a136e5fb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唄詠 | 作成日時：2019年5月18日 22時
