ボクは憂鬱キミは不機嫌2章【REBORN】 (ページ36)

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「いいでしょう…貴女には仮もありますし。」

「それは、あの時のことを言っているのかな?
それなら大間違いだよ。キミがボクらを守って
くれたから…傷つく姿を見たくなくてボクが
勝手に飛び出した。」

だから、気にしなくていいんだよ。
ボクに恩なんて感じなくていいんだ。
キミがボロボロになってまで守ってくれた
からボクもあの時、覚悟をしたんだ。

「…では、早めに動くとしましょう。」

「そうしてくれると助かるよ……?」

「どうしました?………これは!!」

顔を見合わせ入口付近を見つめる。

「…しくじりましたね、クローム。」

「仕方無いよ、凪だって勾玉の範疇に
あるんだから……出口は?」

「来た道を引き返すしかありません。」

「うわ…超ピンチじゃん。」

外の気配を確認するとそこには2人。
1人は繁桝のもの、もう一人は…。

「山本武ですね…よりにもよって彼とは。」

確か、幻術と相性が悪かったはず。
このまま入ってこられれば…見つかる。

かといって他に出口は無い。

「下がりなさい。」

「…どうするの?」

「僕の幻術で貴女を隠します。
息を潜めてなるべく気配を消していなさい。
…得意分野でしょう?」

「まったく…言ってくれるね。」

行き止まりの壁まで下がり物陰に身を潜める。
灯りが無いのが不幸中の幸いか。

うっすらと霧のヴェールが視える。
これで誤魔化すつもり?
分かりにくいように小さな力でなんとか
しようにも彼だってプロでしょ?

「……骸さま。」

「おやおや…どうしましたお揃いで。」

「骸君もこんな場所で何してたの?」

「秘密です。」

コツンと足音を立てながら彼女に近づく
骸に山本武は顔を顰める。

「…全く勘のいい。これから戦が始まると
いうのだからそれに備えておくのも当然です。
…貴女の前では格好付けていたいのですよ。」

「…骸君!!」

こんな所見られたく無かったと微笑する
骸に感激する繁桝。

…やめてくれ、吹き出しそうだから!!←

似非紳士もたまには役に立つじゃん…ﾌﾞﾌｯw

「こんな暗い場所に居るのも退屈でしょう。」

適当に言い訳をして洞窟から出ていく4人。
少し振り向きながらに微笑む彼は颯爽と
その場を後にした。