僕のプライド3 ページ27
トンファーを構えて見据える先には揺れる瞳、
引き腰の身体、困惑しきった表情。
「まｯ?!待って雲雀さん!!」
「イヤだよ。」
制しを無視していつも通り、群れるやつらを
咬み殺すみたいに。
気に食わないやつに襲いかかるように
トンファーを振り下ろす。
「?ぅｯ!!?」
避けない…避けきれない小動物を何度も
咬み殺す。
「そのままだと君…誰かどころか自分すらも
守れないよ。」
「…ｯ!!」
ボコと鈍い音を繰り返す。
日の沈みが終わる頃、ボロボロな身体は
未だに立ち止まったまま。
「現実を見ようとしていた君はいつの間にか
現実から目を逸らすようになった。
ひとりじゃ何も出来ないから僕の力を借りる?
笑わせないでよ、僕は群れない。」
虚ろな瞳、焦点の合っていない視線は
交わっているようで交わっていない。
「君はヒーローなんかじゃない。
ヒーローなんかには向かないしなれやしない。」
「……り、ぼ……ん…?」
「君の力はいつだって誰かの為だった。
今回もそうだと思ってる?
お門違いもいい所だね、仲間を守るなんて
言っていながら僕に力を求めた君は自分の
為じゃないか…。」
結局自分ひとりじゃどうにも出来ないから
助けて下さいって言ってようなもの。
誰かを助けたいと口にしながら自分の
ことばかり。
どうしらいいですか?
一緒考えてくれませんか?
全部僕に投げやり。
「守る力を持ってるくせに僕に投げ出さないで。
自分が助かりたいばかりじゃないか。」
「ち…ぢがいまず!!」
「違わないよ、赤ん坊を助けたいと望んだ時の君はひとりで僕の前に、ボス猿の前に…出向いていたね。君の意思が確かなモノだったから。覚悟を決めたからじゃないの?」
「…そ、れ…は。」
足りないから、まだ足りないんだ君の覚悟が。
あやふやに言い逃れようとしても無駄。
僕の前では取り繕っても意味なんて無い。
「＿＿＿＿腹を括りなよ。」
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キア - とても面白いです！続き待ってます、応援してます頑張ってください (2018年8月10日 10時) (
レス) id: 58399249fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唄詠 | 作成日時：2018年6月24日 23時
