ボクは憂鬱キミは不機嫌2章【REBORN】 (ページ22)

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記憶の欠片ページ22

夢主 side

「朝から申し訳ない押しかけて…。
ボク1人どころかおまけ2人までお世話かけます。」

ヒバリよりずっと前を歩いていたボクが
先に雲雀邸に到着するのは当たり前。
だから使用人に一言挨拶をして勝手に上がる。

「なんだよおまけって…。」

「キミの事を説明するなんて以ての外だろう?
裏の人間を連れてきたよ♪なんて言えるわけも
無いしね…それなりにお世話になった場所
なんだ。だからあまり迷惑をかけたくない。」

「ふーん。」

客間に2人を案内する。
京子はボク部屋でいいからベルもまぁ、大丈夫だろう。

「ここがベルの部屋ね。」

「the 和って感じだな…ボスが好きそう。」

「…彼は、和式が好きなの?」

「気になる?」

ニヤリと自慢気に笑うベルに
慌てて顔を逸らす。

…今、かなり顔に出てた……よね。

ポーカーフェイスの生徒会長が
聞いて呆れるな。

「じゃあ、キョウコ行くよ!!」

「オレも♪」

「なんでよ…。」

呆れて溜め息を出たがそれを気にも止めない
ベルは後から付いてきた。

観光でもしにきてるって感じ。

「…わぁ!!凄く綺麗…!!」

「掃除…してくてるのね……。」

自然を見るといつも庭園を思い出す。
ふとした瞬間に、何気ない日常で。
忘れたく無い記憶の欠片を落として
しまわないように、部屋には植物を飾った。

この家を出て本当はもうボクの帰る場所でも
無くなった。

それでもそのままの状態で残っている。
掃除も植物の世話も整理整頓されていて
埃ひとつとして無い。

…きっと、ヒバリがそのままにしてくれているんだ。

「…これウチの隊服じゃん!!
しかもボスのじゃね!?」

「…あ。」

「何でお前ボスの羽織り持ってんの?!」

「あ、預かってるだけだから!!」

家を出る前まで羽織っていたそれを慌てて
椅子にかけたままなのを忘れていた。
まさかベルが押しかけてくるなんて思って
無かったし?

ま、バレたからだからどうってことも無いけどね。