ボクは憂鬱キミは不機嫌2章【REBORN】 (ページ2)

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僕の秘密と意思2 ページ2

「雲雀さん!!今度一緒に食事に行きましょう!!」

いきなり現れたその女はやけに馴れ馴れしくて
煩わしかった。

いつも通り、咬み殺してやろうなんて思った。
けど、違和感を覚える。

思うように身体が動かない。
興味なんて欠片ほど無いのに、視線の先には
あの子が居た。

煩わしいはずなのに、嫌いなタイプなのに
それなのに、僕はあの子を追いかける。

気持ち悪い…気味が悪い。
気色悪い…吐き気がする。

「浮かない顔ですね雲雀恭弥。」

「…何のよう?今、僕忙しいんだけど。」

「彼女を追うので?」

クスリと小馬鹿にしたように微笑むコイツは
少し迷う素振りを見せた。
けど「仕方ないですねぇ…貸しですよ?」と言うなり僕の額に手を当てた。

「な…に……!?」

「秘密ですよ…彼女には。」

記憶の逆流…これは、コイツの記憶。
触れたくもない、見たくもない。
大嫌いな奴の記憶。

『ダメです!!待ちなさい＿＿＿＿(名前)ｯ!!』

遡って遡って遡る度に僕の中に入ってくる
記憶は(名前)のものばかり。

僕と出会う前の彼女。

『今度は私が貴方を護らせて?』

泣きそうに哀しそうに辛そうに、
然し強く微笑む彼女の笑み。

『…来いNo.10今日はお前の番だ。』

手枷、足枷を嵌められていて。
無理やり引きずるように彼女の髪を
掴む黒ずくめの男。

それを最後に濁流のように流れていた記憶は止まる。

君の昔のことは耳にしていた。
マフィアを憎んでいることとか。
小動物を則って世界征服するとか。

どうでもよかった僕にとっては。
君を咬み殺せればよかった。

だから同情した事もない。
君にそんな感情を向けれない程君が嫌いだったから。

「また…巻き込むの?」

「他に方法が見当たりません。
だから止めないで下さい。
これで貸し借りは無しです…いいですね?」

嫌だ…とは言えなかった。
コイツも昔の記憶なんて見せたくなかった
はずだから。
(名前)だって僕に知って欲しくなかったはずだから。

だからこのことは僕の胸に秘め事として残す。

勾玉の存在も裏社会の理も
何もかも知らないフリをする。

君の為に…そう誓ったからね。