ボンゴレ10代目の妹はWTの世界に転生したそうです。【第4幕】 (ページ17)

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弟子達へ6 ページ17

「唐突に私に戦術を教えてくれだなんて言ってきた
日は本当に驚いたわ准。」

「……そうですね。」

「なんて顔をしてるのよ。隊長として、広報と
してボーダーの顔になってその肩書きに似合う
力を得るためにここ迄努力してきたんでしょう?
私の教えを忠実に守ってきた貴方はもう充分
過ぎる程の知恵･人望･戦術を手にした。
…………それでもまだ足りないの?」

「(名前)さんから、そんなこと言われたのは
初めてなので…。
驚き…なのか、寂しさなのかは分かりません。
まだまだ貴女から学ぶ事は沢山あった!!
でも、そこまで言われたら足りないなんて言えませんよ。」

烏滸がましいでしょう?と苦笑する准に私は
額にデコピンをした。

「バカね、烏滸がましいだなんて思うわけないでしょ。」

「……これからも、俺を導いてくれますか?」

「それは出来ない。貴方はもう導く側なのだから。
まぁ、でもそうね…相談くらいならいつでも
乗ってあげるわよ、准。」

「ｯはい!!今までお世話りなりました。
……これからもご指導賜ります!!」

震える声色に私は微笑む。

ここ迄慕われていたとは……。

いいえ、今のは彼らに対する侮辱ね。

3人が私を本当に師のように仰いだこと、
彼らの志、想いを私はちゃんと知っている。

「蒼也、貴方は本当に……才能に溢れそして努力の
天才だわ。この言葉だけで終わらせられない程、
貴方には随分と驚かされたわ。
戦術も人望も知識も…本当に目覚しかった。」

「素直にありがとうと言うべきだろうか?」

「素直に喜んでいいところよ。」

「……そうか、師にそこまで言われるとなると
とても誇らしい。」

表情を表に出すことが少ない蒼也は意外と
分かりやすい。

態度や仕草……表裏の無い言葉の芯。

今の言葉が本当なのだと超直感が無くとも解る。

「今まで世話になったな。」

「いいのよ、私達のお節介だったんだから。」

「だが、俺はまだ(名前)から学ぶ事があると思っている。」

「相談くらいは乗るわよ。」

綺麗に一礼する蒼也に笑みを崩さずに手を握る。

弟子の成長がこんなに誇らしいと思わなかった。

……恭弥さん、貴方もこんな想いでしたか?

私はとても嬉しく、そしてもどかしいです。
育つに連れて、自分の元を巣立つ時に見送る
ことがとても誇らしく堪らないのに…。

＿＿＿＿寂しいだなんて。