かえりみち7 ページ45
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「月バリに載ってた事、ネットで書かれてた事全部本当のことなのか?」
「…本当よ、気持ち悪い程にね。
自分が女帝って言われてるの知らなかったの。
雑誌読む暇あったらバレーしてたから。」
「……そうか、ごめん。」
「それはズルいよ…。」
俯いた彼の顔がどんな風になっているのか…。
怖くて悲しくて何も言えなかった。
窓に反射して映りこんだ彼の瞳から
一滴の涙が零れたのが見えてしまった。
…ほら、やっぱり。
優しいクロ君だから傷つくに決まってる。
聞かなければ良かったと思ってるでしょ?
「…そうか、やっぱり…早く聞いときゃ良かった。」
「…え?」
顔を上げた彼は笑っていた。
少しだけ目元が赤くなってた。
無理して笑ってる。
「なぁ…やっぱり来いよ。」
「…駄目だよ、出来ないよ。」
「今は見学だけでいいから。」
「…どうして、どうしてそこまで言うの?」
後悔したくせに、聞かなければって思ったくせに。
もう、良いんだよ?
幻滅したんでしょ??
優しくしないでよ…君の優しさはどうしても私の胸を抉るんだ。
…痛いのは嫌いなんだ。
「お前が思ってるより…ちゃんと好きでいられてるよお前は。だからマネージャーになれよ。そんで行こうぜ…全国に。」
「酷い男ね…全く。」
全国はもう諦めたんだ。
バレーはもうやらない、心に決めた。
「…それでも私は____。」
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豆犬(プロフ) - 作者さんのお兄さん優しい...良いお兄さんですね!! ((ただただ、これが言いたかっただけ← (2018年5月5日 17時) (レス) id: 7127065132 (このIDを非表示/違反報告)
(・ω・) - この小説が一番好きです(*´ω`*)更新頑張ってください! (2018年2月12日 23時) (レス) id: e356b7a08c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唄詠 | 作成日時:2017年11月18日 21時