第31話 ページ32
貴「....ねぇ、朔夜君。」
別にタメ口と言うわけじゃない。
曖昧な敬語になってしまうのはいつも
彼が下から出るから。
それにつられてしまうのだ。
朔「何かな？」
私の隣を歩く朔夜君。
彼と行動を一緒にする時や
話す時....彼は徹底してある程度の壁を作る。
貴「私が....姫野さんに言った事を覚えて
いて、それが私の為と思って黙っててくれ
ていたのは凄くありがたかった事ですけど、
アレはあくまで彼女に言ったことで、朔夜君
に言った訳じゃないですよ？」
並んで歩く時、彼は決して前を歩かない。
必ず隣、もしくは少し後ろを歩く。
真正面から話す時は必ず相手の目を見て話す。
彼が私の前を歩く時....。
それは必ずと言っていい程、私達の視界に＿＿＿＿。
「アレ〜朔夜じゃん？？部活はどったのよ？」
「サボりですかぁー？」
「2軍だからってダメだろ？w」
＿＿＿＿こういう輩が居るとき。
おそらく彼と同学年だろう。
やけに馴れ馴れしい。
同じクラスとかなのかな？
朔「見て分かるだろ？ドリンク、運んでんの。」
優しい口調のままだ。
『2軍だから。』『サボり』だとか、努力している人に対して言う言葉では無い。
でも、これを私が言える資格は無い。
私は努力は報われるという言葉が大嫌い
なのだ。
報われるなんて....そんな『絶対』もない
言葉につられるつもりは無い。
「マネにやらしときゃ良いじゃん。」
「なんで朔夜がやってんのさ。」
「多いんだろマネ？」
不服そうな顔をしている彼女達。
朔夜君が私の前に立っていることで
すっぽり隠れているらしく、彼女達から
私は何故か見えないらしい。
朔「忙しいんだよ。レギュラー陣の方が練習厳しくてね、それに合わせるようにマネも忙しくなってくるから。増えたから....で、済まされるわけじゃないんだ。」
特にGWの合宿の話しが合ってからはね。
と小さく呟かれた言葉は彼女達に聞こえる
事は無かった。
後ろに居た私にだけが聞こえたその哀しい口調。
どうしてそんな哀しいの？
苦しいの？切ないの？
「ふーん。ま、いいけど....？」
「どしたの？」
「朔夜....後ろに誰かいんの？」
....バレたか。
仕方ない、出るか。
彼の横にクルリと出る。
少し朔夜君が、驚いた顔をしたが今はそれどころでは無い。
この場をいかに穏便に去るかを
考えなければならない。
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水素(プロフ) - 毎回、楽しんで読ませていただいてます！質問なのですが、高尾兄や灰崎以外にも伊月とかも、霧崎第一にいるってことになっているんでしょうか。それどけ、ご説明よろしくお願いします。更新これからも、頑張ってください！ (2017年5月26日 17時) (
レス) id: 13d0baa70d (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚 - 全シリーズ読みました！どれもこれもすっごくスカッとします！ここからどんな快進撃があるのか楽しみにしています！頑張ってください！ (2017年5月12日 18時) (レス) id: 5780d9b299 (このIDを非表示/違反報告)
藍 - 資格取るんですかー？まぁ応援して上げないこともないですよー更新は気長に待ってあげるのでー続き頑張ってくださーい (2017年4月28日 23時) (レス) id: ec2c624665 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：唄詠 | 作成日時：2017年4月16日 20時
