らくだい魔女と魔界の王族part2＊復活の王編＊

どうやって出ればいい？ ページ37

チトセside


　ボンヤリと霞が掛かったような頭がはっきりとしてくる。


　レンの渇が効いたようだ。


　思い出した。


　全部。


　おれの大切な仲間も、大好きでたまらない"アイツ"も。


　｢忘れてて悪かった。｣


　ポツリと謝罪の言葉をこぼす。


　(だから···)


　｢その、今にも飛びかかって殴ろうとしてる拳を納めてくれ···｣


　と、顔のまえで腕をクロスさせ、ガードする。


　レンの回りからは殺気があふれでており、下手するとﾀﾋぬ···。


　いや、殺される···


　｢まあ、これは保留にしておく。｣


　レンは珍しく自分の怒りを押さえ、上を見上げる。


　｢どうやって出れば良いのだろうか···？｣

　｢は？｣


　まさかコイツ、何も考えずに来たのか···？


　｢生憎、おれは帰る方法を知らねえんだよ。｣


　と、肩をすくめ、おれは悪くないからな。というオーラを放った。


　｢お、ま、え、は、なぁぁぁぁああ！！！もっと考えて行動しろよっ！！！｣

　｢んなっ！？大体、お前がラークのちゃっちい魔術にやられてるからだろ！？助けてもらえただけ感謝しやがれっ！｣

　｢あれはちゃちくなんかねぇぞ！？おれはそんな魔法にかかっても自我を取り戻したんだ！！！｣

　｢どの口がいうかっ！｣


　と、暗闇の中にお互いのいがみ合いが響いた。

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