炎で固めた決意 ページ14
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辺りがセピア色に染まり音も聞こえなくなったとき
「たっく、お前はもっと用心しろよ。」
心配の言葉よりも皮肉の言葉が飛んでくる。
でも、今はそっちのほうが安心する。
「お前っ...!」
レンが警戒心MAXでアイツを睨んだ。
「助けていただいたこと感謝します。『青の城の王子』。」
あたしは突き放すように言葉を発した。
だめだ。このままじゃ、アイツを__...チトセを巻き込んでしまう。。。
するとチトセは深いため息をつき、
「お前、ほんとは怖いんだろ?」
その言葉にピクリと反応する。
「そんなことは御座いません。」
そんなこと無い。あってはならない。
あたしは魔界の王。
歴史を正し、民を守るため、彼の地へ向かったのだから。
不安?それがどうした。そんなの火で灰にしてやる。
恐怖?そんなの感じない。相手を先に倒せばいい。
死?あたしは死なない。死んでたまるか。
失う?そんなことさせない。あたしが守る。
そう気持ちを奮い立たせてるのに、
(足が震えてる___...?)
微かに震える足。
言うことを聞かない。
呼吸が荒くなる。肩が大きくじょうげに動く。
怖い__。
脳裏によぎる二文字。
怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。怖い。
水が満帆に入っている壺の蓋を開けたようにその『怖い』という気持ちが溢れ出す。
でも口には出さない。
出したら負けな気がするから。
「っ... ...!?」
フワッと鼻をかすめる懐かしい匂い。
頭の後ろにある大きな手。
「ほらな?」
意地悪そうな感じだけどゲームに勝った子どもみたいな顔してさ。
チトセはあたしの炎で固めた決意を崩すんだ。
それが偽物の決意だって知ってね。
「怖かったよ。」
あーあ。負けちゃった。
セピアに染まる世界にあたしの声が静かに消えていった。
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ユキカ(プロフ) - ありがと〜!!!(号泣)おねーちゃんのこと大好きぃぃぃ!! (2020年12月7日 22時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - ユキカさん» 全然っ!wゆっくりでいいからっ都合に合わせて暇なときに書いてくれていいからね!合作一緒に出来てるだけで、私は嬉しーんだからww (2020年12月7日 22時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - ありがと〜!合作の方、更新してなくてごめんね!近いうちに、ちゃんと更新します! (2020年12月7日 22時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
爽(プロフ) - え、え頑張って!?part3とか、めためた楽しみにしてるかんね!?おねーさん、ボンボン振り回してるからね!?←← (2020年12月7日 22時) (レス) id: 82f3ba1a1a (このIDを非表示/違反報告)
ユキカ(プロフ) - あんなつ♪さん» カイ:え、オイラってそんな感じだったの?! (2020年11月21日 22時) (レス) id: bba7686eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキカ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shizukubob1/
作成日時:2020年5月29日 17時