【WEST】君と僕の秘密2【K.N】 (ページ23)

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望「………」

『………』

部屋の中に重い沈黙が流れる

望「…………ごめん」

そう一言、沈黙を破ったのぞ兄に何故かイラってしてしまう

ごめんってなに……？

お兄ちゃんじゃないってこと……？

………ちゃんと教えてよ、"のぞ兄"

『なんで、』

なんで今まで教えてくれなかったの

なんであの時お兄ちゃんなんて嘘ついたの

なんで、なんで……っ、

望「…………ごめん………っ」

『…………っ』

気がつくと部屋のドアを勢いよく開けてそのまま外に飛び出していた

1月の夜は寒い

着込んでいるとはいえ、部屋着のままコートも何も着ずにいるのは正直辛い

けど引き戻すなんてことは出来なかった

ひたすら走る

周りなんか見えなくて、

周りの人にやばい人って思われてるかもしれないとかどうでもよくて、

とにかく遠くに行きたくて、横断歩道に飛び出した

赤信号に気付かずに。

やばいって思った時にはもう遅くて、もう車は目の前

車のライトとクラクション

頭に感じる鈍い痛み

そして

「Aっ…………！！！」

誰かの声と共に、私は意識を手放した