……04 ページ27
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大野「大丈夫だよ。 傷は治るんだ。 きっと元通りだよ」
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松本は、かさぶたが言ったのは、傷口の事なんだと思いました。
本当は違います。
かさぶたが言う傷は、松本が友達と喧嘩して出来た心の傷の事で。
きっと「元通り」仲良くなれるよ、と応援していたのです。
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ハッキリとそう言われた訳ではありませんでしたが、松本はなんとなくそれを感じました。
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そうして次の日。
膝小僧のかさぶたと一緒に学校へ行くと、友達に会いました。
友達は、何も言いません。
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大野(がんばれ)
大野(謝るんだろ？)
大野(謝るって、昨日きめたんだろ？)
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「きっとあの子も同じ気持ちだったんだよ」、とかさぶたが言うと、松本は勇気を出して。
「謝る事は恥ずかしい事なんかじゃない」、と。
そう心の中で繰り返して。
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松本「─────…ごめん」
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そう、友達に謝る事ができました。
友達は、びっくりした顔で松本の顔をみています。
松本はふっくらとした唇をキュッと一文字に結んで頭を下げ。
そして上げると「カズ、ごめん。言い過ぎた」と、謝りました。
友達はそんな松本をみると、ふっと笑い。
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二宮「…………俺も、ごめん。ちょっとふざけすぎた」
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照れくさそうに謝りあうと、ふたりは顔を見合わせて笑いました。
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大野(ほらな？)
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膝小僧が、笑います。
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大野(だから言っただろ、傷は治るよって)
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心についた友達と松本の傷は、お互いを思い合う気持ちで治ったのでした。
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作者名：12（とうふ）
作成日時：2014年8月17日 3時
