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大野「あ、めっけ！」
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あの日。
あの、初めて大野に抱き上げられたあの日。
あの日から、カズナリは大野から逃げ回る日が始まりました。
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二宮「くんな！くんなバーァカ！！」
大野「バカって言うほうがバカなんだぞ！」
二宮「小学生か！」
大野「こうみえても３３歳だ！！」
二宮「３３？！ 嘘でしょ？！ オジサンじゃねぇか！！」
大野「オジ・・オジサン！？ 俺、オジサンなの？！」
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それは、これまで石を投げられたり、蹴られたり叩かれたり。
そんな事をされるから逃げていたカズナリには、考えられないくらい楽しい鬼ごっこでした。
どうして鬼ごっこなんてしているのかって？
それは、大野がカズナリを家に連れて帰ろうとするからです。
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大野「いい加減、野良猫なんてやめてウチにきなよ」
二宮「ヤダよ」
大野「なんでだよ〜」
二宮「何でじゃねぇの、やーなーのー！」
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大野は夜の様なカズナリを見た目も、それから意地っ張りな性格も気に入っておりました。
ですから、家で一緒に暮らそうと言ったのです。
でもカズナリは、そんな大野が怖かったのです。
だって、それまでそんな風にやさしくしてもらったことなんてなかったからです。
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もし、欲張って・・・大野とずっと一緒にいて。
大野が他の人みたいに(大野に限ってありえませんが)、カズナリのことを疎ましく思い出したら？
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そう考えると、やさしくされればされる程、カズナリは怖くなって「うん」とは言えませんでした。
それでも、大野はいつも、いつの日も。
雨の日も風の日も。
暑い日も寒い日も。
変わらずに、カズナリを見つけてはおいかけてきました。
カズナリはその度に逃げました。
それはとても楽しいおいかけっこで、独りが好きだったカズナリは、いつの日か大野と会うのが楽しみになっていました。
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作者名：12（とうふ）
作成日時：2014年8月17日 3時
