《ちゃっかり0830Jハピバ》とっておきの話【短編集】 (ページ18)

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松本『お前、俺の事─────怖く、ないの？』

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その時、風がピューッと吹き抜けました。

それと同時に、相葉は太陽みたいなその笑顔でコクリと頷きました。

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松本(見つけた！)

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潤は、嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。

そりゃあそうです。

松本の濃くて太い眉も睫毛も。

射ぬく様な瞳も。

それから─────捕まえたら離さない、大きな手も。

どれもこれもが、他の動物たちが恐れるもので、逃げ出すものです。

だけど、相葉だけは違いました。

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松本『逃げないでいて、くれる、の……？』

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ニコニコと笑って、そこにいてくれるのです。

潤が「あ、」と思うと同時、頬が濡れました。

潤の大きな目から、涙がこぼれたのです。

だけど不思議と、頬は冷たくないのです。

それどころか、温かいのです。

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松本『ふふ……(笑)』

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泣いているのに、松本は笑いました。

ようやくみつけた、初めての友達の前で松本は泣きながら笑いました。

そうして、こんなに恐れられている自分なのに─────とても。

とてもとても、泣き虫である事を、この日初めて知ったのでした。

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