another story18 『あの頃の姿』 ページ20
〜アッシュside〜
Aが会社から帰ってくるのは、19時過ぎ。
それまで、この部屋で一人で過ごすことになった俺は、少し散らかった部屋の片付けをしていた。
ベッドの下を拭き掃除したら、出てくる女が表紙の本。
「アイツ････」
帰ってきたら今朝の事を踏まえて話し合いをしないと。
そんなことを考えながら、取り敢えず全部屋の片付けを終え。
気がつけば12時過ぎ。
そろそろ昼飯にするか。
何て思っていると、
((ｶﾞﾁｬｯ
扉の鍵が開かれる音がし、俺は慌てて身を潜める。
こんな時間にアイツが帰ってくるはずが無い。
となると、侵入者か。
物陰に身を潜め、近くにあった物を自分の方に寄せる。
玄関から此方に足音が近づいてくる。
少しずつ、
ゆっくりと、
ん？ いや、待てよ。
「ただいま。って何してんだアッシュ」
「････A？ 」
本を投げる姿勢を止めた先に居たのは、目を丸くして固まるA。
「お、おかえり？」
「おう、ただいま。 いい子にしてたか？ あ、ケーキ買ってきた！ というか、お昼食べたか？」
「いや、今から作ろうと思ってたところ････」
「そっか！ アッシュの手料理か〜！早く帰ってきた甲斐があった！ ちょっと着替えてくるな〜！」
俺の頭を撫でて、当たり前の顔で部屋へと引っ込んだA。
帰ってくるには早すぎる時間なのに、ケーキを買って朝よりも陽気に帰ってきた。
それだけでも十分すぎる違和感なのに、
何だか少しだけ、昔のAと同じ雰囲気がした。
記憶を無くしてからのアイツは、大人びていて、何処か冷たかったように思う。
だけど、
「考え込んでどうした？ 悩みがあるのか？ お兄ちゃんが聞いてやろうか！」
「･･･悩みなんてない。 それより、どうした。 日本で会った時から、そんなふうに話してなかっただろう」
「････。いや、まぁ････」
「何だ。何があった」
「････なにも。 ただ、アッシュと英二の前だけでも肩肘はって大人ぶるの辞めようと思っただけ」
そう言って唇を尖らせ、顔を背けたAは、ブツブツと何か言っている。
でも、その光景があの頃と同じ彼の姿を映してて。
自然と涙がこぼれた。
続く (更新停止中)
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エリンギ - 初コメです。私は20代ですがこの作品が本当に大好きでちょこちょこ更新してないかなーと思って見てました。今日開いたら更新してたので最初から読み直して更新分を楽しもうと思います。更新楽しみにしています、自分を大事に頑張ってください！ (2月27日 22時) (
レス) id: 6d5f28664b (このIDを非表示/違反報告)
ライ - 初コメ失礼します。とりあえず言えることは最高でした！！続きが気になって仕方ありません。ですがお忙しいのかと思われますので、無理のない範囲で更新楽しみにしています！頑張って下さい！！ (12月8日 23時) (レス) id: f3bce32c70 (このIDを非表示/違反報告)
彼方 - 初コメ失礼します。BFと同時進行で読んでたのでもう苦しすぎて……。お願いします、続き書いてください！あと、ユエルンくんとかシンくんもまた出てきたら嬉しいです！最後になりますが、素晴らしい作品をありがとうございましたっ (2023年1月25日 11時) (レス) @page17 id: a9705677e6 (このIDを非表示/違反報告)
A - 初めまして。一気に読んでしまいました笑こんな未来があったらいいなと幸せな気持ちになりました！続きも楽しみにしています(≧∀≦) (2023年1月6日 5時) (レス) @page17 id: d2b1f0465c (このIDを非表示/違反報告)
ココなし(プロフ) - 初めまして。この作品が本当に好きで時間を忘れて何度も読み返してます！素敵な作品をありがとうございます！！をとにかく伝えたくてコメント失礼します！お身体にお気を付けてお過ごしください (2022年1月29日 16時) (レス) @page11 id: 3932394f6b (このIDを非表示/違反報告)
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