貴方と私のアバンチュール２【新・信長公記】

第六十七話 ページ26

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「家康に勝つためには、家康からの指名を受けることが絶対条件」

「どういうことでしょう？」


「例えば、秀吉が"家康を倒す"の旗印を上げる。そうすると、秀吉は絶対に勝たねばいけない。なぜなら、負ければ旗印戦に参加する権利を奪われる。このクラスでその権利を失ったのは、加藤だけ」

「そうくさ」
不意に耳に入る本人の声に私達は後ろを振り返った。
だけど秀吉くんは、彼と目が合うと少し気まずそうにそっぽを向いた。
そんな姿を見て加藤くんは秀吉くんに近寄る。

「そぎゃん顔ばすんな。この加藤清正に勝った男が」

「うるさいねん！俺に負けた奴が…一丁前の口利くなや！」

「…それでよかくさ」

か、かっこいい〜…！なんて潔くて男前なんだ…！！
口の端を釣り上げて笑う彼に感嘆していると、黒田くんが話を続ける。

「とにかく、旗印を掲げたほうが圧倒的に不利だ。だから、家康に誰かを指名した旗印をあげさせてそれに我々が勝つ。そうすれば家康の権利も剥奪できる」

「でも今は無差別攻撃…どうやって指名を？」

「簡単なことさ、ポイントで家康を上回ればいい」
『えっ、208ポイントも上回れるの？』
私がそう呟くと、私の意見に賛同するように井伊くんが立ち上がって声を上げる。

「バカかテメェは。家康は今208ポイントもあんだぞ。やすやすと越えられるわけ」
「超えれるんだよバーカ」
『わ、強気』
黒田くんもすかさず立ち上がって反論すると、秀吉くんの方へと歩いていく。

「その鍵を握るのが…60ポイントを持つ秀吉くんだ」
「…俺！？」
「作戦はこうだ」
そうして黒田くんが説明してくれた作戦は、とても考えられたものだった。

「例えば、真田が秀吉を倒すという旗印を出して勝つ。すると真田は、60ポイント獲得する。負けた秀吉は、挑戦を受けた側だから損はない」
『あっ、それで次はまた誰かが秀吉くんを倒すっていうのを繰り返せば、皆のポイントがどんどん増えていくってこと？』
「正解だ、A。そうすれば、家康は指名せざるを得ない」

策を聞いた後の皆はやる気に満ち溢れていて、私は一人で拍手をする。
うーん、やっぱり黒田くんって凄いな。私とは頭の出来が天と地の差ぐらいあるよね。毎度それを見せつけられているというか…

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