▽ ページ34
rd side
「…は？」
お酒に弱いAは案の定一杯飲んだら潰れたため、いつも通り彼女を担いで運ぶ。
運ぶ、という理由でさっさと帰ることができるので結構ありがたく思っていたりする。
しかし、目的地はいつも通りとは言わないようだ。
どうやら引越しをしたらしく、事前に家まで運んでもらうことを想定した彼女が住所がメモされた紙を渡された記憶がまだ新しい。
目の前には豪邸とまではいかずとも立派な一軒家。
果たして同じ時期に入社した同僚がこんな家を買えることが可能なのか？
「…金持ちだったんなら集れば良かった」
今までは同僚の惜しみとしてタダで運んでやっていたが今度からはタクシー料を払わせよう。
以前の建て付けがやや悪いアパートのドアとは変わって見るからに新品で清潔感のある扉に伸ばそうとした時、ピタリと手が止まった。
…何故家の電気が付いているのか。
泥棒。
その言葉が頭を占めた。
試しにドアノブを回すと難なく開いて壁と扉の間が薄く作られる。
とにかく警察！！
あわあわと鞄を漁ることにより逸れる視線。俺は自分の脳天目掛けて迫っていた扉に気がつくことなど不可能に近かった。
「…いッ…てぇ！！」
「A、おかえ……誰やぁ！？？」
ゴン、と鈍い音が響いて頭を押さえつつも相手を確認するとまだ小学生くらいの子供が目を剥いたと思ったら背を向けて逃げ出してしまう。
…待って待って、状況が掴めないんだが？？
数秒後には置いてけぼりの俺を取り囲むように十人はいる子供が睨んで尋問する圧倒的不利な裁判が開幕されていた。
「誰だお前は」
「あ…ども、らっだぁと申します…」
「Aとの関係は」
え、本当に子供ですか？
外人のような見た目をしている子供が見定めるような冷たい目にカタカタと肩を震わせて死を覚悟する。
やべーー、三途の川がこんにちはしてる〜…
-memo-
「らっだぁ」
・Aの同僚。奥さんがいる。
・毎度毎度酔い潰れたAを運ぶ係。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1948人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハッピー(プロフ) - レイさん» いえいえ、お役に立てて良かったです！ (2020年11月24日 21時) (
レス) id: 45915405f4 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - ハッピーさん» やっぱり公式の方でログインしてない状態じゃないと読めないですよね返信ありがとうございます (2020年11月24日 21時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
ハッピー(プロフ) - 私公式のアプリの方から読んでるんですけど、公式じゃなくて、ネットで調べてログインしてない状態からだったら読めました (2020年11月24日 20時) (レス) id: 45915405f4 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - すみませーん2の方見れなくなってたんですがなにかわかる方いらっしゃいますか？ (2020年11月24日 19時) (レス) id: 409dd9da63 (このIDを非表示/違反報告)
をん - Rですね？入れましょう(決定) (2020年11月23日 21時) (レス) id: 9266b0967c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
