約束 ページ17
阿部side
あの日から俺の家にも少しずつ遊びにきてくれるようになって、
昔みたいに話せるくらいになった。
俺自身もライブが決まったり、新しいお仕事が決まったりでバタバタしてて
遊びにきてくれても俺がいないことが多々...
いつも母親からの事後報告。
そんなある日 いつもより少し早く家に帰れた日
家のドアから出てくる見覚えのある人影
阿部「希羅ちゃん!」
希羅「あっ!亮平くん!お久しぶり!」
阿部「最近全然会えてなかったから少し寂しかったよー。」
なんてちょっとでも気持ちに気づいてほしくて
そんなこと言ってみたら
頬を赤くして照れているように見えるのは
この真っ赤の夕日のせいだろうか。
でもすぐに表情を変えて
希羅「私もやっと前みたいにお話しできるようになったのに全然会えなくて寂しかったよ?」
なんてずるい。
今すぐ抱きしめたい。
でもそんな勇気なんてなくて
阿部「ははっ!そう言ってくれて嬉しいなあ!
いま帰るとこだったかもしれないけど今日晩ご飯一緒に食べよ?」
希羅「お邪魔でなければ是非!」
阿部「うん。食べよ!
明日はお休み?」
希羅「明日お休みだよ!」
阿部「そしたら
久しぶりにお泊まりしていかない?
衣装のお話とか聞いてみたいし!
明日俺も久しぶりのオフだから2人でお互いの仕事の話をする夜会しよ?」
目をパチパチして驚いてる彼女
阿部「お泊まりなんてあれかあーいろいろ気にしちゃうよね...まあ無理日は言わな..希羅「お泊まりする」 え??」
希羅「お泊まりする!ダメ?」
俺から誘ってみたけど こんな返しが返ってくるなんて思ってなかったから
今俺の顔赤くなってないかな。
夕日で隠れてればいいな
阿部「もちろん!じゃあお母さんにご飯食べることだけ伝えて、荷物取りに一緒に行こうか。」
ポンポン
これが俺の精一杯の愛情表現
頭を触るだけなのに緊張するって
俺相当好きなんだろうな。
夕日の中 彼女の家に向かって歩く。
7年以上前と同じ
少し長い影と少し短い影
長さは変わっても同じ少し長い影と少し短い影
この先も2人で見れたらいいな。
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作者名:阿部 ごもく | 作成日時:2020年6月20日 14時