Scene3 一生分かんないよ ページ11
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最悪だ。
朝目が覚めた途端にそう思った。
このままさぼってしまおうかと考えたけど確か今日は二時間目に櫻井先生の英語がある。
しかも来週は期末試験だ。
さすがにさぼるわけにはいかない。
「……行かなきゃ」
……いやまぁ、正直期末は追試でも構わないけど。
先生に会えるのに休むわけにはいかない。
私と先生が同じ学校に入れる時間はあと半年と少ししかない。
何とか準備をして学校に来た、けれど
「石動、顔色めちゃくちゃ悪いぞ。保健室行ってこい」
「…へいきです」
「いや平気じゃねぇだろどう見ても」
そんなに死にそうな顔してたのかな。
担任の大野先生がホームルームが終わるなり私の席までやってきた。
だけど私は首を振る。
二時間目が終わったら帰るから平気です、とは先生相手ではさすがに言えない。
二宮先生相手だったら言ったかもしれないけど。
「A、どうした顔死んでるぞ」
「潤くん酷いよ」
「お、松本良いとこに。ちょっと石動を保健室まで連れてって来い」
「わかりました」
「いや平気、」
「平気じゃねぇよ」
潤くんまでそんなことを言う。
平気なのに。
体調不良の原因は分かりきってる。
男の子たちには一生縁のないものだからこの痛みと日常生活を何とか両立させてその日を過ごそうとする女の子の複雑な気持ちなんてわかりようもないはずだ。
「……じゃあ、一時間目だけ」
「おーそうしろ。ちょうど俺の授業だし、そのまま寝に行っていいぞ」
一時間目は大野先生の数学だったんだけど。
のんびり言いながら私の背を押す大野先生の言葉に甘えて潤くんと一緒に教室を出た。
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年5月17日 15時
