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ページ10

ミアは、さっきの場所から少し離れた、白い空間に俺を連れていった。

俺が電脳世界に来て、初めて目を覚ました場所と似ていた。
でも俺のと少しだけ違うところがある。

此処には、破れた本のページのようなものが浮遊していた。
俺のところは天気マークみたいなものが浮いていたから、これは人によって違うんだろう。


アシレ「…………で、ミアが聞きたいことって?」


俺が尋ねると、ミアは俺の目をまっすぐ見た。


ミア「ジュケって知ってる?」

アシレ「…………ジュケ?」


聞き覚えがない名前だった。


アシレ「知らないな。あんたの友達?」

ミア「うん。電脳世界にいるはずの友達。だから私もここに来てみたんだけど……まだ目撃情報はないの」


ミアが目を伏せた。
要するに、ミアもジュケという人を探しているのか。


アシレ「ジュケってどんな人?」


ミア「明るい茶色の髪をしていて、眼鏡をかけてる。いつもノートを持ってるから、本を持ってる人に会ったら「貴方がジュケですか」って聞いてみてほしい」


アシレ「わかった。もし会ったらミアのこと伝える」

ミア「ありがとう」


ミアはそう言って笑った。その笑顔があまりに嬉しそうなので、俺は冗談半分で聞いた。


アシレ「あんた、ジュケのこと好きなの?」

ミア「……………え」


不意にミアが固まる。あれ?


アシレ「……………もしかしてマジだった?」

ミア「な、なわけない。違う違う、ただの友達!」

アシレ「それ、誤魔化す人のテンプレだから」

ミア「誤魔化してない。ホントに友達!それを言うなら、アシレはオクリのことどうなの?」

アシレ「え?」


急にオクリの名前が出てきて、驚いた。


アシレ「オクリのこと知ってるのか?」

ミア「うん。私は最近ここに来たんだけど、オクリは結構前から電脳世界にいたらしくて、草原で会ったの。ジュケもいないし心細かったから、オクリが居て安心した」


ミアも、オクリと会って安心したのか。もしかしたらあの子には、人を安心させる力でも有るのかもしれない。
俺は不安にしかさせられないから、羨ましい。


アシレ「俺は今日この世界に来たばっかだから、オクリとも今日が初対面。ってわけであんたの言う『オクリのこと好きなんじゃないの〜?』的な言葉は俺には通じないよ。残念だったな」

ミア「え?初対面?」


ミアは俺が言ったことを70%ぐらいスルーして、残りの30%に聞き返した。




「昔から一緒の仲だったわけじゃないの?」

2章 関係性→←◆



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作者名:スター | 作成日時:2022年1月24日 21時

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