検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:411 hit

ページ3

この姿は、教科書で見たことがある気がした。
歴史の、平安時代の授業だ。

とはいえ見覚えがあるのは和装ぐらいで、姿を見せた少女に見覚えはない。
でも、もうひとつ。現実世界でも見たことがある物を見た。

神楽鈴。

大体、巫女が持ってるやつだ。だとしたらこの子は巫女なのだろうか。
いや………、なんか王冠みたいなの着けてるし、確実にお姫様だろ。


アシレ「………あんたがお姫様?」

「…姫様?………姫様はカグヤ様です」

アシレ「カグヤ様?誰それ」


俺が言うと、少女は眉をひそめた。


「私が仕えていた和の國の姫様です。あなたはその時代にいなかったのですか?カグヤ様を知らないなんて」

アシレ「その時代ってどの時代なんだよ。俺は2041年から来た」

「2041年?随分と未来から来たんですね」

アシレ「てことは、あんたは過去から来たんだな」


少女は頷く。


アシレ「あんた、うんと昔の時代の人間なのにどうして電脳世界に居るんだ?」

「この神楽鈴が、私の時代とあなた方の電脳世界を繋いでいるようです」


少女はそう言って、手に持っていた神楽鈴を見た。
どうやらそいつが戦犯らしい。


「あなたは?」


アシレ「俺は現実世界でパソコンにパスワードを入力して、気が付いたらここに倒れてた」

「パソコン?パスワード………未来はそんなものがあるんですね」

「ほんとに何も知らないんだな」


俺の言葉に、少女は少しむっとしたようだった。


「知ってることは沢山あります。貴方、名前は?」

アシレ「アシレ。君は?」

オクリ「オクリです。今から貴方に教えてあげます。私が知っていることを」

アシレ「じゃあ、とりあえず場所変えない?ここじゃ気分が悪い」

オクリ「………わかりました。ついてきてください、良い場所があります」


オクリはそう言うと、背を向けた。
色鮮やかな羽織が目に映った。


アシレ「それ、昔の服?きれいだねえ」

オクリ「いいから来なさい」


つんとしたオクリの反応が面白かった。

◇→←1章 邂逅



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:スター | 作成日時:2022年1月24日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。