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ミア「ジュケが、別の電脳世界に飛ばされたみたい」
オクリ「え?飛ばされた………?」
私は思わず聞き返す。
ジュケさんの事は、ミアから何度も聞いている。ミアが探し続けてる男性だ。
その人が別の電脳世界に飛ばされたって………?
オクリ「どういうことですか?」
ミア「ジュケの字で、このパスワードが書いてあったの」
ミアが差し出した紙を見ると、「PASSWARD SETSUNA」と書かれている。
オクリ「刹那?」
アシレ「ああ。多分、ジュケはこの「刹那」っていう電脳世界に飛ばされたんだと思う」
オクリ「根拠は?」
私の言葉に、アシレは動じずに淡々と言った。
アシレ「オクリはその神楽鈴からこの世界に来たって言ってたけど、俺とミアは違う方法で来たんだ。現実世界のパソコンにパスワードを入力して、ここに来た」
オクリ「………それは以前、言っていましたね」
アシレ「ああ。だから多分、パスワードを入力すれば電脳世界には行ける」
ミア「その法則に乗っとると、ジュケは自分の電脳世界の中でも、パスワードを入力しちゃったんじゃないかな。それも自分のじゃなく、『刹那』っていう別の人のパスワードを」
アシレ「それで、別の世界に飛ばされた」
オクリ「…………なるほど。理屈はわかりました」
2人の話を聞いて、電脳世界の仕組みがわかってきた。
私はミアに向き直る。
オクリ「ミアはどうするんですか?ジュケさんを探すにしても、その『刹那』っていう電脳世界に行かなくては……」
ミア「うん。だからそこへ行くつもり。絶対にジュケを取り返す」
そう言うと、ミアは決意した目を向けた。
水色の目が、揺らがずに光を捉えているのを見た。
………ここで1人で行かせるなんて出来ない。
アシレを見ると、彼も私を見ていた。
………行きますよね?
………当たり前だろ。
そんな会話が空気の中でされて、私たちは頷き合う。
アシレ「俺たちも行く」
その言葉に、ミアは目を見開いた。
ミア「え……いいの?貴方たちには関係ない人探しなのに」
アシレ「いいんだよそれくらい。ジュケだけ連れて帰ってくればいいんだろ」
オクリ「それに、大事な人が居なくなって辛い気持ちはわかりますから」
カグヤ様とナツオリを思い浮かべて呟く。
それに気付いたのか、アシレが一瞬目を伏せた。
ミア「………ありがとう、2人とも」
ミアが安心したように笑った。
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作者名:スター | 作成日時:2022年1月24日 21時