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『………そんなに忙しいのかよ』

『仕方ないでしょう。それに、私は姫様に仕えることが出来て光栄です。返事はこれくらいで満足?』

『いや。だって半年ぶりなのに、たった二言とか無しじゃないか』

『そう?』

『そうだよ。あ、あとこれ』

『なんですかこれ………風車?』

『別に要らないならいいけど、仕事先のお土産的な?』

『そう。………まあせっかく此処まで持ってきてくれたし、一応貰っておきます』

『最初からそう言えばいいのに。素直じゃない姉だな』

『っ、いいから早く帰りなさい。洗濯物を入れないといけなくなったから』









オクリ「…………………んん……」


頬に冷たい感覚がした。
目を開けると、前より薄暗い草原が広がっていた。

………夢でも見ていたんだろうか。
体を起こすと、紫色のマフラーが目に映った。

………………アシレが掛けてくれたらしい。
意外と気が利く。まあ、さっきも泣いてるときにマフラーを差し出してきたし。
実はまわりをよく見てるタイプなのかもしれない。

………にしても。


オクリ「どこいったの………」


思わず呟く。
寝てる人を放って別の場所に散策?全く何を考えてるのか。
やっぱり、まわりを全然見てない。
なんだ、気遣い出来ないのか………。

はあ、とため息を吐いたとき。

胸の奥で違和感が鳴った。


オクリ「…………………これ、前もされた」


気がする。
誰に?
わからない。姿がない。

でも、記憶に映っている。


『風車』
『声』
『2つの影法師』
『背中合わせ』


オクリ「……………………思い出せない……」


顔をしかめたときだった。


ミア「オクリ!」


ミアの声がして、振り向くとミアとアシレが走ってきていた。

アシレ、ミアに会ってたんだ。


アシレ「お、起きた?おはよ」

オクリ「ミアといつの間に友達になってたんですか?まさか変なことしてないですよね」

アシレ「何急に。まあ変なことは聞かれたけど」

オクリ「聞かれた?」

アシレ「まあ別になんでもないけどな」

ミア「それより、大変なの。オクリ!聞いて!」


ミアが慌てた様子で言った。

♢→←2章 関係性



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作者名:スター | 作成日時:2022年1月24日 21時

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