２章 関係性 ページ11
アシレ「…………え？」
昔から一緒の仲？
なんで？
オクリの方も俺の方も、そこまで社交的じゃないはずだぞ？
疑問で頭が埋まりまくった。
アシレ「…………普通に、さっき初めて会った。なんでそんなこと聞くんだ？」
ミア「だって、凄く仲良さそうに見えたから。幼なじみくらいしか出せないと思う、あの雰囲気」
アシレ「いや、むしろケンカしてたんだけどな」
ミア「え？ケンカ？私が見たときにはオクリがアシレのマフラー握ってて妙にくっついて…………」
アシレ「あああもうそれ以上言うなって！」
なんか急に恥ずかしくなってきたので、慌てて止めた。
アシレ「…………で、まあとにかく俺たち初めて会ったから。誤解すんなって」
ミア「うーん……なんか腑に落ちないけど、いいか」
ミアがなんとか納得してくれた。もうさすがに腑に落ちてくれ。
アシレ「じゃあそろそろ戻るか。オクリも起きたかもしれないし」
ミア「あ、ごめん。実はもう１つ、確認したいことがあるの」
ミアがそう言って呼び止めた。俺は振り返る。
アシレ「もう１つ？またジュケのことか？」
ミア「多分、ジュケのこと。これ見て」
ミアが小さな紙を差し出した。
まわりに浮いてる紙と同じ色で、どことなく茶色い。破れた紙だ。
そして、その紙には、
『Password SETUNA』
と書かれてあった。
アシレ「………パスワード？俺たちが電脳世界に入ったときも、デスクトップにパスワードを入れたよな？」
ミア「うん。それにこれ、ジュケの字なの」
アシレ「ジュケの？………………」
ミア「そう。だからこれをジュケが落としたってことは、ジュケが前、此処に居たんだよね？多分まだこの近くにジュケが…………」
アシレ「…………いや、違う」
ミア「？」
ミアが俺を見た。
俺はすぐさま考えて、その結果出された答えを言った。
アシレ「ジュケはまた別の電脳世界に飛ばされたんだと思う」
ミア「え？」
ミアが水色の瞳を見開いた。
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作者名：スター | 作成日時：2022年1月24日 21時
