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1章 邂逅 ページ2

アシレ「…………うっ………」


体を起こすと、目眩で視界が回転した。
ここは何処なんだ?誰に何をされた?

疑問が頭の中を埋め尽くす。

確か、今日もいつも通りに自分の部屋のパソコンをいじっていたはずだ。
急に画面がパスワード入力を求めてきて、あのときの自分は適当な数字やアルファベットを入れた。

適当だったことの罰なのか、気がついたらこの場所にいた。

なんだこれ。


アシレ「……わけわかんないな」


何がどうなってるのか知らないが、パスワードを入れてここに来てしまったわけだ。もしかすると2次元か?

それか、電脳世界。

なんてこれまた適当な事を思い浮かべる。意外にも頭は冷静に動いていた。

目眩も収まってきたから立ち上がる。だだっ広い空間に天気のマークみたいな物体が浮いていた。


アシレ「なんだよ、これ」


思わずつぶやく。
自分の力を表してるのか?確かに天気に関しては、自分ほど繋がりがある人間を見たことが無い。

ということは、この空間は俺だけのもの。

もし他に誰かがこの世界に入ってきていても、その人はその人の空間を持っていて、俺とは出会えない。

ひとり。


アシレ「……………誰かいないのか」


寂しさからか、ふと声に出してしまった。

何故だろう、ひとりなんて慣れてるのに。


「………れか、…………すか?」


その時、声が聞こえた。


「だれ………いるので………か」


アシレ「……え?」


その声は近くなっていく。


「だれかいるのですか」


影の向こうから、姿が見えてくる。

そう言った声の持ち主は、
お姫様のように綺麗だった。

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作者名:スター | 作成日時:2022年1月24日 21時

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