Kir ～きみの首筋、ホラ・・・～ part2 【完結】 (ページ30)

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episode６０ページ30

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和也の荷物、思ったよりあるな・・・。

いらないっていわれても、

私もいらないよ・・。

あんなにあっさり出てくなら

この家でできた思い出も、持って行ってほしかった、な。

私が、もっと可愛いかったら

もっと、和也のことを大事にしていれば

・・・なんて、こんなこと考えちゃって。

我ながら、上手な嘘だったな・・

ふふ

よし、翔さんの家に行こっと

最近買った新しい靴を履く

最寄りの駅に行くだけなのに、街並みが目新しくみえる

なんか、スッキリして清々しいなぁ・・

翔さんの最寄り駅ももうすぐ

１駅位歩いていこうかな

もう、すっかり行きなれたこの道も

なんだか街がきれいにみえるのは気のせいかな

あ、あんなところに雑貨屋さんなんてあったっけ？

あそこにも美味しそうなレストラン・・・

翔さんと、行きたいな・・

前は何をつくるかでいっぱいいっぱいで

行きたいレストランもカフェも行けなかったけど、

これからは、できなかったことたくさんできるんだよね・・

「A！」

振り向くとそこには、彼の姿が。

「1駅歩くって言ってたから、迎えに来たよ。」

そう、私はこの人と

新しい道を歩くんだ

「・・どうした？」

「んーん、なんでもない！」

「でも、涙、でてるよ？」

「・・・翔さんに、会いたかったから。」

私も、悪い女になっちゃったな。

こんなにすぐ、涙、流せるようになっちゃった・・。

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(END)